ここから本文

2017年3月24日号 vol.323
山口県のローカル線めぐり
山口県のローカル線めぐり/JR山陰本線 第10回

京都駅(京都府京都市)と幡生(はたぶ)駅(下関市)を結ぶJR山陰本線。今回は、小串(こぐし)駅から川棚温泉(かわたなおんせん)駅までの見どころをご紹介します。

見どころ満載の川棚温泉へ

小串駅を出発すると、しばらくは田園風景が続きます。途中、川棚川という川を渡り、川棚温泉駅に到着です。

小串駅のホームの写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

小串駅を出発
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

車窓から見る田園風景の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

小串駅を過ぎると田園風景が広がります
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

川棚川を渡る列車の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

下から読んでも川棚川!
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。


この駅のホームにも、長門市出身の童謡詩人・金子みすゞにちなんだ駅名看板があり、「日の光」という詩が添えられています。駅舎は、「下関市豊浦(とようら)コミュニティ情報プラザ」という施設を兼ねた立派な建物。

金子みすゞにちなんだ駅名看板の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

ここにも金子みすゞにちなんだ駅名看板が!
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

川棚温泉駅外観の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

川棚温泉駅外観
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。


コルトーが愛した川棚温泉

駅近くの川棚交差点から、線路と国道191号に直交する形で温泉街へ続く、青龍街道(県道40号)。かつて川棚温泉駅と川棚温泉を結ぶ「温泉鉄道」が計画され、線路敷設も完了するも、開業には至らず、その廃線が道路に転用されたとのこと。幻となった鉄道…。実現していれば乗ってみたかった! などと考えつつ、温泉街へ向かいます。

まずは川棚温泉観光の拠点、下関市川棚温泉交流センター 川棚の杜(もり)を訪れます。三角形の面が巧妙に組み合わされ、連なる山のような外観が印象的。川棚の里山の風景になじむ形状にと、新国立競技場をデザインすることでも有名な建築家・隈研吾(くま けんご)氏によって設計されたものです。

青龍街道にある川棚温泉の看板の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

青龍街道を進み、温泉街へ
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

下関市川棚温泉交流センター 川棚の杜外観の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

下関市川棚温泉交流センター 川棚の杜
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

さて、建物内へ。建物の一角は、下関市烏山(からすやま)民俗資料館となっており、人々の暮らしに即した用具の素材、用途、機能について学ぶことができます。日本だけでなくアジア地域を中心とした広い地域の庶民文化や工芸資料を、毎回季節や風土などに絡めた面白い切り口で展示されているので、とても興味を引かれます。(観覧料無料。特別展開催の場合は別途入館料が必要になることがあります。)

烏山民俗資料館展示コーナーの写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

烏山民俗資料館展示コーナー
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

展示コーナーで三角形をモチーフとした展示棚に飾られた展示物の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

展示棚も三角形がモチーフ
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。


また、建物奥に進むと、「コルトーホール」があり、著名演奏家のコンサートの他、地域の方々の音楽イベントが行われています。

ホール名の由来となったのは、フランスのピアニスト・アルフレッド・コルトー。昭和27(1952)年、日本公演で川棚温泉のホテルに宿泊した際、川棚の景色、中でも響灘(ひびきなだ)と厚島(あつしま)の美しい風景にいたく魅了され、ぜひ買い取りたいと願ったそう。その思いに打たれた当時の川棚村長や村民は、島を無償で譲渡することを申し出ました。また、島の名前を孤留島(こるとう)とすることも提案されたそう。感動のうちに帰国したコルトーでしたが、再来日はかなわず、昭和37(1962)年に死去。平成20(2008)年、彼がパリに設立したエコールノルマル音楽院と下関市とで、パートナーシップ提携が結ばれました。

話し声も心地よく響くこのホール、外観のデザインと合わせ、三角形に組まれた鉄骨が印象的です。

コルトーホール内観の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

コルトーホール内観
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

コルトーについてのパネル展示の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

コルトーについてのパネルも展示されています
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

また、奥は大きく開口され、里山の風景の中で、厚島の方を向いてたたずむコルトーの胸像が見られます。

コルトーホール開口部の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

開口部からは川棚の里山の眺めが
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

厚島を向いて立つコルトーの胸像の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

厚島を向いて立つコルトーの胸像
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

厚島の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

「孤留島」こと厚島
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。


山頭火が愛した川棚温泉

コルトーと同じく、川棚の風景に魅せられたのが自由律の俳人・種田山頭火(たねだ さんとうか)。現在の防府市に生まれた山頭火は、放浪の最中に立ち寄った川棚の地を終生の地としたいと願い、庵の建設を進めます。実現には至りませんでしたが、川棚の杜のすぐ近くにある妙青寺(みょうせいじ)には、「涌(わ)いてあふれる中にねている」と書かれた句碑があります。

妙青寺山門の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

妙青寺
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

妙青寺にある種田山頭火の句碑の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

妙青寺にある種田山頭火の句碑
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

妙青寺の本堂裏の庭園は、室町時代の水墨画家で、禅僧の雪舟(せっしゅう)により造られたもの。池に石橋が渡されており、行き来しながら眺めを楽しむことが出来るのが印象的です。

雪舟の庭園の案内看板の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

雪舟の庭園の案内看板
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。

雪舟の庭園の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

雪舟の庭園
※写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります。


見どころの多い川棚温泉、ご紹介は次号に続きます!

ローカル線の出会い人 川棚温泉観光ボランティアガイドの会

今回の取材は、川棚温泉観光ボランティアガイドの会 代表・小田紘幸(おだ ひろゆき)さん(写真左)、岩田光郎(いわた みつを)さん(写真右)に案内をお願いしました。

学生の時まで育った地に40年ぶりに戻ってきたら、昔のようなにぎわいがなく、このままでは駄目だと思ったんです。

それから縁あって観光ガイドをすることになりまして。自分たちが知っている川棚の良いところを知ってもらいたいという思いを持って活動しています。

最近は、江戸時代の古道を中心にウオーキングする「フットパス」を、年に数回開催しています。初めは募集人数を決めていましたが、非常に多くの方が応募してくださったので、全て受けることにしました(笑)。

川棚の温泉は毛利綱元(もうり つなもと)侯の御殿湯(ごてんゆ)になるほどの名湯ですし、厚島の浮かぶ響灘や、里山に囲まれた景色は、山頭火やコルトーに愛されるほどに美しいんです。その魅力をお伝えできるよう、これからも頑張ってガイドしていきたいと思います。

    
川棚温泉観光ボランティアガイドの会 小田さんと岩田さんの写真


JR山陰本線路線図
JR山陰本線路線図

ページの先頭へ戻る



ページの先頭へ