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2017年1月27日号 vol.321
山口県のローカル線めぐり
山口県のローカル線めぐり/JR山陰本線 第8回

京都駅(京都府京都市)と幡生(はたぶ)駅(下関市)を結ぶJR山陰本線。今回は、滝部(たきべ)駅から長門二見(ながとふたみ)駅までの見どころをご紹介します。

大正時代を肌で感じる 滝部駅

特牛(こっとい)駅を出発し、今回の旅は滝部駅から始まります。この駅のホームにも長門市出身の童謡詩人・金子みすゞにちなんだ駅名看板があり、「蟬(せみ)のおべべ」という詩が添えられています。

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滝部駅外観
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金子みすゞにちなんだ駅名看板
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滝部駅から10分ほど歩くと、なんとも可愛らしい建物が! 外側の薄いブルーと、所々に使われているグリーン、そしてレンガの色と相まって、まるでドールハウスのようです。

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出入口のアーチも印象的な外観
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この建物は「下関市立豊北歴史民俗資料館 太翔館(たいしょうかん)」。大正13(1924)年に建造された旧滝部小学校の本館です。大正期の代表的な学校建築として昭和54(1979)年に県の有形文化財に指定され、豊北町歴史民俗資料館として活用されてきた建物で、平成19年度から23年度の保存修理工事を経て、大正時代創建当時の姿に復元されました。

改修された建物は、資料を参考に当時の色も再現されており、電灯が少ない分、窓は多めになっています。

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当時は下足場だったエントランス
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窓が多い廊下
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天井が高いエントランスには、豊北地域の案内やイベント情報が置いてあります。滝部村出身の実業家(化粧品を製造販売していた中山太陽堂の創業者)・政治家でもあり、豊浦郡の教育事業や慈善活動に私財を投じて貢献していた、中山太一(なかやま たいち)氏に関する資料も展示されています。

1階にある教室には、廃校から譲り受けた机や黒板などがあります。天板を取り外して中に学習道具を入れ、天板は画板としても使われていたそうです。昔の人々の工夫に思わず、「なるほど!」と声が出てしまいます。

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教室
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廃校から譲り受けた机の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

天板は画板としても使われていた
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当時職員室だった部屋は、豊北町の歴史文化の学習などに利用できる閲覧室として使われています。さらに廊下を進むと、ここまでの西洋風の造りと打って変わって和の雰囲気。「女礼室」と呼ばれていた和室で、かつては女子生徒の礼儀作法や裁縫を教える場でした。

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閲覧室
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女礼室だった和室
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2階は、特別展・企画展が行われる講堂となっています。こちらは、催事がないときには講演・講座・展示会などに利用できます。

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講堂
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弥生時代に思いをはせよう! 長門二見駅

長門二見駅に到着です。ホームの端には「瑞風(みずかぜ)」の文字が見えます。山陰本線は、平成29(2017)年6月17日(土曜日)から運行が始まる豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」のコースの一つ。単線の山陰本線では、対向する車両とは駅で離合します。その際の瑞風の停止位置を示すものだそうです。

長門二見駅の付近を走る列車の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

もうすぐ到着
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長門二見駅外観
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瑞風の停止位置を示す標識の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

瑞風の文字が!
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ここからバスで15分の場所に、土井ヶ浜(どいがはま)遺跡があります。

土井ヶ浜海岸のほど近く、砂地の丘にある遺跡で、発掘調査により、弥生時代の集団墓地が発見され、約300体もの人骨や、土器などが出土しました。

一帯は、土井ヶ浜弥生パークとして整備されています。この中の土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムを訪れてみましょう。

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土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム外観
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玄関ホールから展示室に入ると、目に飛び込んでくる人骨。おおっ、なかなかのインパクト。

足を進めると、数々の展示で、遺跡の成り立ちや、縄文時代・弥生時代・現代の日本人の顔や身長の違いなどが学べます。この遺跡の人骨と似た形質のものが朝鮮半島や中国で見つかっており、このことから、土井ヶ浜の弥生人は、大陸からの渡来人である可能性があるそうです。

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展示室入り口付近の人骨
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遺跡のジオラマの写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

遺跡のジオラマ
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弥生シアターの写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

日本人の身長や顔つきの変遷を示した展示
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この時代にこんなに手の込んだものが! 貝で作られた腕輪・指輪・ネックレスなどのアクセサリー。また、琉球(りゅうきゅう)列島で採れた貝も使われていることから、当時、広い範囲で交易が行われていたと考えられるそうです。スゴイ!

貝製の腕輪などの写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

貝製の腕輪など
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この他にも、マネキン人形で当時の生活を再現したコーナーや、土器の展示もあります。

また、展示室の隣はシアターになっており、楽しい3D映像で遺跡や弥生人のことが学べます。

マネキン人形を使って当時の生活を再現したコーナーの写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

当時の生活が再現されています
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副葬品の土器の数々の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

副葬品の土器の数々
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弥生シアターの写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

大画面の3D映像で楽しく学べる「弥生シアター」
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この建物の近くには、土井ヶ浜ドームという場所があります。ここは実際の発掘現場にレプリカの人骨を配置して、発掘当時の様子を再現したもの。人骨の頭部は一様に、海のある西の方を向いています。大陸から渡来した弥生人が、海の向こうの故郷を望むため、西を向いて埋葬されたと考えられているそうです。ロマンがありますねえ!

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土井ヶ浜ドーム外観
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特牛駅舎内の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

人骨がみんな西を向いています
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土井ヶ浜海岸の写真/写真をクリックで拡大。Escキーで戻ります

土井ヶ浜海岸。この海の向こうに弥生人の故郷が…?
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人類学とはなんぞや? という人でも、弥生時代について分かりやすく、楽しく学べる施設です。ぜひ訪れて、弥生時代に、そして、日本人のルーツに思いをはせてみてはいかがでしょうか?


【沿線のイベント情報】
Anthropos Ⅲ 「道具の目・動物の目」
自然人類学・民俗学・考古学の学芸員が連携して企画する展示シリーズAnthroposの第3弾として開催します。
「目」をテーマに、豊北歴史民俗資料館、烏山民俗資料館、土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムの収蔵品の中から、目にまつわる資料を集めて紹介します。
目とは何か。身の回りにある道具の目。人間を含む動物の目。目の機能を補強する道具や、目をかたどった道具、眼病の治癒に関わる道具。様々な視点から目にせまります。
場所:
土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム
〒759-6121 山口県下関市豊北町神田上891-8
電話:
083-788-1841
会期:
平成29(2017)年1月17日(火曜日)から5月7日(日曜日)まで
開館時間:
9時から17時まで
休館日:
月曜日(祝日の場合は翌平日)
Anthropos Ⅲ 「道具の目・動物の目」のチラシ
JR山陰本線路線図
JR山陰本線路線図

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