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2016年8月26日号 vol.316
山口ふるさと大使からの便り

山口県では、県にゆかりのある著名な方に「山口ふるさと大使」を委嘱し、さまざまな機会を通じて山口県の魅力発信にご協力いただいています。今回は、光市出身のヴァイオリニスト・アーティストの末延麻裕子(すえのぶ まゆこ)さんにお話を聞きました。

大使プロフィール

末延麻裕子さんの写真

末延麻裕子さん

光市出身。4歳からヴァイオリンを始め、数々の賞に輝く。優れたファッションセンスとジャンルを問わない独自の演奏スタイルで注目されているヴァイオリニスト。クラシック界での実績はもとより、イベントや音楽番組への出演など多方面で活躍している。

第19回 末延麻裕子さん

光市のご出身ですね?光で懐かしい場所というと、どちらですか?

末延さん附属光小学校・中学校(※1)へ通っていたので、象鼻ヶ岬(ぞうびがさき)ですね。休み時間に魚釣りをしたり、ヤドカリを普通に触ったりする野生児だったというか(笑)。クサフグの産卵も見に行ったりしました。

室積半島の象鼻ヶ岬は「周防橋立(すおうはしだて)(※2)」ともいわれる景勝地。室積半島は「光のクサフグ産卵地(※3)」があることでも有名ですね。クサフグの産卵。神秘的だったのでは?

象鼻ヶ岬の写真

象鼻ヶ岬

末延さんそうなんです!!美しいというとおこがましいし、生命の誕生というのはこんなにも命懸けなんだ、と感じた貴重な体験でした。今振り返ると、都会には絶対にない素晴らしい環境にいたんだなって思います。


ヴァイオリンとの出会いは4歳の時だそうですね。きっかけは?

末延さんお友達がヴァイオリン教室の見学に行くというので付いて行ったんです。その時、先生からヴァイオリンを持たせていただいたんですが、私はいきなり落としてしまって。母はびっくりして、どうやって弁償したらいいんだろう…と。おわびの意味も込めて、取りあえず、レッスンを始めようと(笑)。

ユニークな出会いだったんですね!!いつごろからプロになりたいと?

末延さん小学校4年生の時です。その年、初めて県外でのコンクールに出たんですが、同じ門下生の中で私一人だけ予選に落ちてしまったんです。すごく悔しくて、人生で一番泣いた時でした。そして、それから一生懸命頑張って練習し、同じ年に中国ユースというコンクールで最優秀賞をいただくことができたんです。一年間で悔しさと喜びの両方を体験。私にとって頑張る原動力は、やっぱりヴァイオリンしかないって思いました。

つらいときもうれしいときも、共にあったヴァイオリン。親友のような存在だったのでは?

末延さんそうなんです。ヴァイオリンって、心を受け取めてくれて、それが音に表れる。だから怖い存在でもあるんですが、一生懸命愛情を込めて演奏すれば、それに応えてくれる。魂のある楽器なんです。

プロになってから、さまざまなジャンルのアーティストとコラボされ、4年前のオリンピックの時には、ロンドンでの東日本大震災復興支援感謝イベントに日本代表アーティストとして参加。ドラマーの真矢(しんや)(※4)さんと共演されていますね!

末延さんあの時はリハーサルができず、構成を紙に書き、それを真矢さんに渡して演奏したんです。曲はクラシック。真矢さんが日本を象徴する楽器として選んだ鼓(つづみ)と、ヴァイオリンだけの演奏です。楽譜通りではなく、緊張感のある、その場の空気を感じながらの演奏は私にとってその時が初めて。真矢さんは本当に素晴らしい方で、私自身とても面白かったですし、聴衆の皆さんもすごく盛り上がってくださって。以来、その場の空気を感じながら演奏することって面白いなと思うようになったんです。

今年1月、ふるさと光市の塩田(しおた)小学校で演奏されている姿を、テレビのニュースで拝見しました。素敵な末延さんの演奏に、子どもたち、釘付けでしたね!!

末延さん宇宙人が来たって感じだったんじゃないでしょうか(笑)。小さな学校なんですが、近所の方たちを含めて100人以上の方が集まってくださいました。私は皆さんの顔を見ながら演奏をするんです。私のオリジナル曲が多かったんですが、皆さん、笑顔で手拍子してくださって、私もすごく楽しかったです。その時は東日本復興チャリティコンサートの出演に合わせての訪問で、津波で流された木を使って作られたヴァイオリンで復興支援ソング「花は咲く」も演奏しました。涙を流してくださる方たちがいて、ぐっとくるものがありました。

子どもたちにとっても貴重な体験になったでしょうね!!最後に、ふるさと大使として山口県内外の皆さんにメッセージを!

末延さん山口県は空気もお魚もご飯もホントにおいしいって思います。海はきれいですし、象鼻ヶ岬の灯台へ、ぜひ行っていただきたいです。私は行ってボーっとしているだけで心をリセットでき、インスピレーションももらえます。ぜひ山口県で波の音を聞いて過ごしていただきたいですね。旧大和町(伊藤博文(いとう ひろぶみ)の出身地)にある「伊藤公資料館(※5)」もぜひ! レトロな建物で、私はそこで演奏したこともあります。9月18日には、私はシンフォニア岩国で友近(ともちか)さんの「水谷千恵子(みずたに ちえこ)ありがとうコンサート」にゲスト出演します。楽しい時間になると思います。ぜひお越しください!!


  • ※1 山口大学教育学部附属光小学校・山口大学教育学部附属光中学校。光市室積の象鼻ヶ岬にある。本文※1へ戻る
  • ※2 室津半島の先端から伸びる象鼻ヶ岬は、天の橋立になぞらえ周防橋立とよばれる。本文※2へ戻る
  • ※3 県指定天然記念物。クサフグは小型のフグ。光市によって産卵観察・監視活動などが行われている。産卵の際、非常に用心深くなるため、静かに見学することが必要。本文※3へ戻る
  • ※4 ロックバンド「LUNA SEA(ルナシー)」のドラマー。本文※4へ戻る
  • ※5 初代内閣総理大臣・伊藤博文の遺品などを展示。生家と旧伊藤博文邸(県指定有形文化財)が隣接。本文※5へ戻る
あとがき
今年1月に村岡知事から委嘱状の交付を受けた末延さん。交付式では、東日本大震災の津波で流された木を使って作られたヴァイオリンを演奏されました。さまざまな場面で、一生懸命、愛情を込めてヴァイオリンを演奏する末延さんを、ぜひ皆さんで応援しましょう!
委嘱状交付式の様子の写真

委嘱状交付式の様子

ヴァイオリンを演奏する様子の写真

ヴァイオリンを演奏する様子

関連リンク:

山口ふるさと大使

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