応援します!「山口ふるさと大使」

山口県では、県外で活躍中の本県にゆかりのある方に、「山口ふるさと大使」へ就任いただき、全国に向けた、さまざまな魅力のPRにご協力いただいています。毎月、第2週目の配信号で、「山口ふるさと大使」が語る山口県の魅力をご紹介します。

第20回 ルーテル学院大学教授:和田敏明(わだ としあき)さん

和田敏明さん

1943(昭和18)年山陽小野田市(旧・山陽町)生まれ。日本社会事業大学を卒業。全国社会福祉協議会で社会福祉研究情報センター所長、高年福祉部長、地域福祉部長、事務局長を務め、現在、ルーテル学院大学社会福祉学科教授・大学院社会福祉学専攻主任・教授。地域福祉型福祉サービスの推進・研究に強い関心を持ち、全国の多様な地域福祉実践と関わりを持って研究している。厚生労働省安心生活創造事業推進検討会座長、東京都新しい公共支援事業運営委員会会長なども務めている。

ふるさと一言Q&A

Q.山口県の好きな場所は? 関門大橋と関門海峡の景色です。その近くの店から眺める、大きな貨物船が通り過ぎていく景色が好きで、松任谷由実(まつとうや ゆみ)さんの、ある曲の歌詞がぴったりなんです(笑)。
Q.他県の方にお薦めの山口県の観光地は? 秋芳洞(あきよしどう)です!他県の鍾乳洞(しょうにゅうどう)も行きましたが、秋芳洞は天井が高く、変化に富み、スケールが全く違います!
Q.帰郷すると食べたくなる物は? 魚です。特にキンタロウ(ヒメジの地方名)ですね。
Q.山口県のおみやげといえば? 生外郎(なまういろう)、かまぼこ、フグの一夜干し、長門市油谷(ゆや)の瓶詰めの塩ウニ、地酒もいいですね!

関門大橋
関門大橋
秋芳洞
秋芳洞
キンタロウ
キンタロウ
外郎
外郎

高校卒業まで旧山陽町で育ったそうですね。印象に残っていることは何ですか?

和田さん幼いころ、夏の夜、盆踊りが家の近くの国道2号で行われていたんです。当時はまだ砂利道で自動車も少なく、「車が来たぞー」と誰かが言うと、みんなが避け、自動車が通り過ぎると、みんな戻ってきて、また続ける…。国道が素晴らしく整備された今では考えられない、不思議な光景ですよね(笑)。

福祉との出会いは何がきっかけですか?

和田さん同居していた祖母の妹が、3歳のときに耳が聞こえなくなった人だったんです。手話は学んでおらず、手まねでしか意思疎通できず、でも、ちゃんと伝わらないので、感情を爆発させることが多かったんです。私は長男で、子どものころから親に「将来、この人の世話は、おまえがするんだからね」と言われて育ち、それが大学進学の際、福祉を勉強しようと思った一番の動機です。当時、福祉は仕事というイメージが一般的になく、家族や親戚などからは大反対され、でも、私の強い意志で進学したんです。その後、自治体が福祉に取り組む時代、福祉が仕事となる時代が訪れ、親戚からは「先見の明があったんだね」と言われました(笑)。

近年、全国的に、孤独死が明らかになっています。そうした悲しいことが私たちの地域で起きないようにするために、私たちにできることはありますか?

和田さん私は、2008(平成20)年に財団法人厚生労働問題研究会が発行した「孤独死防止の手引『孤立をさせない地域を目指して』」の作成に関わりました。そのとき、孤独死の定義を「家族などに看(み)取られずに自宅で亡くなり、しかも何らかの手助けがあれば防げたかもしれない不本意な死」と改めたんです(※1)。孤独死を防ぐには、社会との交流がある状態をつくることが大事だ、と。しかし、その後、若くて元気な人と同居していても、その人の突然死などにより、同居していた人などが孤独死する例が明らかになってきました。孤独死の未然防止には、自治体の従来の縦割りの枠を超えた取り組み、異常をいち早くつかめる電気・ガス・水道などの事業者との連携、地域の取り組みが必要です。町内会などで福祉員といった役割の人を決め、「何かおかしいな」という小さな気付きでも気軽に福祉員に連絡し、気になる人を訪ねてもらう仕組みを地域でつくっていくことが大事だと思います。

山口県では、住み慣れた地域で、いつまでも安心して暮らせるよう、県・市町の社会福祉協議会や地域の皆さんが中心となった「福祉の輪づくり運動」が早くから盛んに行われてきました。県内の地域福祉活動への感想やアドバイスをお願いします。

和田さん全国的に見て、山口県の福祉の輪づくり運動は「地域でのご近所福祉」の先駆的な活動だと思います。具体的には、自治会での福祉部の設置を早くから広めてこられたこと(※2)や、「ふれあい・いきいきサロン」(※3)の開設に力を入れてこられたことなどです。今後は買い物支援も重視されるといいですね。ちょっとしたことを誰かに頼みたいけれど、迷惑を掛けると思うと頼めない…という人は多いものです。でも、低額の有償なら利用しやすく、そうした「ちょこっとサービス」といったボランティア活動を地域で行ってはどうでしょう。今年8月に、私は国の検討会の座長として、報告書「見直しませんか 支援のあり方・あなたのまち-安心生活を創造するための孤立防止と基盤支援-」をまとめました。厚生労働省のホームページに報告と参考事例を掲載しています。参考にしてください。

最後に、山口ふるさと大使として、山口県への応援メッセージを一言お願いします!

和田さん山口県には、他にも先駆的な取り組みをしているデイサービス施設など、さまざまな優れた福祉の事例があり、それらを私は今後も全国に発信して応援していきます。山口県の皆さんも発信力を磨いていってください!!

  • ※1 それまでの孤独死の定義は「看取る人が誰もいない状態での死」。
  • ※2 旧東和町(現在は周防大島町)では、1989(平成元)年ごろから町社会福祉協議会の呼び掛けで取り組まれ、1996(平成8)年度には全22自治会で福祉部を設置していた。
  • ※3 一人暮らしの高齢者や家に閉じこもりがちな高齢者など、寂しさや不安を持つ人に地域住民との触れ合いや生きがいの場を提供するため、住民が主体となって企画し、自主的な運営を行うサロン活動。

▲このページの先頭へ