応援します!「山口ふるさと大使」

山口県では、県外で活躍中の本県にゆかりのある方に、「山口ふるさと大使」へ就任いただき、全国に向けた、さまざまな魅力のPRにご協力いただいています。毎月、第2週目の配信号で、「山口ふるさと大使」が語る山口県の魅力をご紹介します。

第17回 株式会社トクヤマ 相談役:三浦勇一(みうら ゆういち)さん

三浦勇一さん

1937(昭和12)年東京都世田谷区生まれ。東京大学大学院化学系研究科応用化学専門課程修了。1962(昭和37)年に徳山曹達株式会社(現在の大手総合化学工業メーカーの株式会社トクヤマ)に入社。1988(昭和63)年に取締役就任後、常務取締役を経て、1997(平成9)年に代表取締役社長に就任。2002(平成14)年に取締役会長、2004(平成16)年4月に取締役相談役に就任し、同年6月から相談役。現在、公益財団法人やまぐち産業振興財団理事長のほか、公益財団法人徳山科学技術振興財団理事長なども務めている。

ふるさと一言Q&A

Q.山口県の好きな場所は?岩国の錦帯橋(きんたいきょう)、白壁の町・柳井、美祢の秋吉台などいろいろありますが、中でも強いて挙げれば、やはり長く住んだ周南(当時は徳山)市や、山口市ですね。
Q.他県の方にお薦めの山口県の観光は?宇部・小野田地区の産業観光、周南地区のコンビナートの夜景などを楽しむ産業観光、錦帯橋と藤岡市助(ふじおか いちすけ)(※1)が学んだ岩国英国語学所(現在の岩国学校教育資料館)を組み合わせた観光もお薦めです。
Q.山口県に帰ったときに食べたくなる物は?瀬戸内海や日本海のお魚です。
Q.山口県のおみやげといえば?日本酒です!若手の経営者や杜氏(とうじ)が蔵元独自の酒造りを頑張っていて、いいお酒がたくさんあります。

錦帯橋夜景
錦帯橋夜景
白壁の町並み
白壁の町並み
秋吉台
秋吉台
周南地区のコンビナートの夜景
周南地区のコンビナートの夜景

三浦さんは山口県を代表する大企業を率いてこられましたが、山口県の産業のセールスポイントは何でしょうか?

三浦さん日本が近代産業を急速に育成した明治時代、山口県内では、いち早く「日本初の民間セメント会社」(※2)などの民営の近代製造業が立ち上げられました。そうした歴史を経て、瀬戸内海沿岸に産業が集積され、山口県は「工業立県」となっていったのです。特に基礎素材型産業(※3)が多く、しかも単なる工場の集合体ではなく、インテグレート(互いに関連・統合) されています。セメント、無機化学、石油化学がインテグレートされた集積は世界で他に例がなく、山口県の基礎素材製造業の国際競争力の源泉となっています。グローバルな展開が進んでも、山口県が製造拠点の中核的な地であることは変わりません。

それはうれしいですね!!三浦さんは日本化学会の一員として、化学産業遺産の調査・保存活動に携わっておられるそうですね?

三浦さんはい。きっかけは2003(平成15)年、日本化学会創立125周年記念式典で、天皇陛下が、幕末・明治維新期に、科学や産業の発展に貢献した先駆者たちの業績について述べられた中で山尾庸三(やまお ようぞう)(※4)に言及されたご講演を聴いたことにあります。山尾は「人を育てることによって工業は育つ」と考え、人材育成に力を入れた人物で「長州ファイブ」(※5)の一人です。そのご講演を聴くまで、我々は歴史を振り返って今の化学を見ることをしていなかったので、会員は皆、感銘を受け、それをきっかけに化学遺産についての調査・保存活動を始めたのです。その初年度に、学会で認定した化学遺産、明治期の石造りの「ルブラン法炭酸ソーダ製造装置塩酸吸収塔」が山陽小野田市にあります。その塩酸吸収塔は、その町に設立された会社(※6)が製品の製造工程で生じる塩酸の公害対策として造ったもので、中心部を円形にくり抜いた花こう岩を積み上げて造られているんですよ。同工場は今、医薬・農薬の製造工場になっていますが、塔は当時の場所のまま残されています。そのように山口県では、企業は時代に対応して変化し発展しながら、先人の足跡である化学遺産はその場所にそのまま残されている…。素晴らしいことだと思いますね!

なるほど!それは大いに誇れますね!!県では今、産学公の連携で「やまぐちグリーン部材クラスター」事業(※7)に取り組んでおり、三浦さんには、その本部長を務めていただいていますね。

三浦さんはい。この事業やこれまでの取り組みを通じて、産学公や企業間の連携が県内に定着し、今、その成果が出始めています。例えば、従来からのものづくりの強みに、新たな環境・医療サービスをプラスしたものなど…。今後は地域発の連携の仕組みを定着させ、国からの支援がなくなっても、新事業が次々と生まれるようにしなければなりません。山口県における産学公の連携には、組織の枠を越えた、人と人のつながりがあると感じています。人を大切にし、人材を育てることで、産業がつくられていく。それは山口型ともいえる独自の強みです。山口型の連携が今後も楽しみです。

山口ふるさと大使として、山口県への応援メッセージを一言お願いします!

三浦さん周南市で7月に、山口県における近代化学産業の歴史に焦点を当てた、日本化学史学会の研究発表会を開催し、参加者の皆さんを県内の産業観光にもご案内します。また、山口県の産業における強さの源泉は「教育」にあります。今、私が会長をお引き受けしている山口県発明協会などを通じて少年少女発明クラブ(※8)をはじめ、さまざまな活動を、企業のOBの皆さんなどと一緒に応援していきたいと考えています!

  • ※1 幕末、現在の岩国市で生まれた。「日本のエジソン」といわれ、株式会社東芝の創設者の一人。
  • ※2 小野田セメント株式会社。現在の太平洋セメント株式会社。
  • ※3 第二次産業のうち、加工組立型産業への資材を供給する産業。鉄鋼、アルミニウム、石油化学、セメント工業などの基幹産業をさす。
  • ※4 元萩藩士。現在の東京大学工学部の創設者。
  • ※5 幕末、萩藩からイギリスへ留学した伊藤博文(いとう ひろぶみ)、井上馨(いのうえ かおる)、井上勝(いのうえ まさる)、遠藤謹助(えんどう きんすけ)、山尾の5人。
  • ※6 日本舎密(せいみ)製造会社。現在の日産化学工業株式会社。なお、化学遺産は非公開。
  • ※7 文部科学省の補助を受けて、県内の企業・大学・行政が連携し、環境への負荷の低減に向けた研究開発を行うことにより、世界トップレベルの産業を県内に集積することを目指す取り組み。
  • ※8 科学技術に対する子どもたちの夢と情熱を育み、創造力豊かな人間形成を目指すクラブ。

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