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山口県では、県民の皆さんの誰もが住み良さを実感でき、活力に満ちた「住み良さ日本一の元気県」を実現するため、さまざまな取り組みを行っています。今回はその中の一つ「山口県立美術館がリニューアル!」について、県立美術館の河野通孝(こうの みちたか)さんにインタビューしました。

インタビュアーのイラスト

山口県立美術館がリニューアル!

リニューアルした県立美術館。ぜひお越しください。(河野さん) 光あふれるエントランスホール!お母さんと赤ちゃんにうれしい授乳室もできました。 ミュージアムショップ。展覧会関連グッズやデザイン性豊かなグッズ、山口県産和紙…。心ときめく品物がズラリ! 演色性の高い最新の照明!光の色味変化で、作品がいかに異なって見えるか実感できます。 特別企画展の期間限定で、ヨーロッパを味わえるカフェ・ド・マリーがオープン。 曜日ごとにシェフが代わる、輝く女性たちの料理店。限定20食のランチ(800円)を提供します。

今年4月26日、県立美術館がリニューアルオープンしましたね!

河野さんはい。県立美術館は1979(昭和54)年の開館で、老朽化が進んでいたんです。一方で、照明設備の開発は日進月歩し、美術館についての考え方も変わってきました。かつて美術館は、重厚感があって敷居が高い社会教育機関というイメージが強かったのですが、今回、照明設備の変更と同時に、「子どもにも大人にも親しみやすく、明るい、より開放的な美術館」にイメージチェンジし、「一緒に楽しい時間を過ごしましょう」という雰囲気の美術館を目指すことにしたんです。

「より開放的な美術館」へ、具体的にはどう変わったのですか?

河野さん県立美術館の中庭は、四季折々の花木を楽しめる「県美の森」として県民の皆さんと以前から植樹を進めてきました。そんな花木を眺めながら四季を感じてもらおうと、中庭に散策路を設けました。また、まるで前庭と中庭の間にロビーがあるような美術館にしようと、エントランスホールは全面ガラス張りにして、自然光をふんだんに取り入れ、ロビーも広げ、「くつろぎの空間」を拡充しました。ミュージアムショップも外からよく見えるように位置を変え、散策している人が気軽に入りやすいようにしました。

なるほど!明るいエントランスホールになりましたね!照明の方はどう変わったのですか?

河野さん美術作品は、照明を明るくすればするほど傷みやすくなるため、照度を下げる必要があり、これまで「作品がよく見えない」という声がありました。特に日本画は傷みやすく、作品の保護と明るさとの兼ね合いは難しい課題なんです。そうした中で近年、空間が暗くても明るく感じられ、作品も保護でき、美しい状態で見られる、演色性(※1)の高いLED照明が開発されています。そのLED照明を導入することで、省エネにもなり、作品に優しいライティングとなりました。また、当館は、山口県にゆかりの深い雪舟(せっしゅう)(※2)や雲谷派(うんこくは)(※3)の貴重な作品をコレクションしています。その日本画が並ぶ展示室には、光の色味変化を細やかに調整できる照明も導入しました。これは日本一ともいえる最先端の設備です。

それがこの展示室…。うわあ、光の色味が微妙に変わるにつれ、作品ってこんなにも違って見えるんですね!大画面のびょうぶが暗い中でも一層格調高く見えて感激です!

河野さん展示室の中央には、ゆったりと作品を鑑賞することができるように、24畳の畳のスペースも設けました。子どもたち向けの講座も、ここで行いたいと思っているんです。県立美術館では、作品のどこに着目すると楽しめるかを知ってもらおうと、学校教育向けに雪舟などのガイドブックを作ってきました。その延長線上に、この展示室が生まれたともいえます。

リニューアル特別企画「ヨーロッパ絵画400年の輝き-カンヴァスに描かれた女性たち」展を6月10日(日曜日)まで開催中ですね。

河野さんはい。女性というと古くから聖母マリアやビーナスなどが描かれてきましたが、17世紀以降、肖像画の流行とともに実在の女性が多く描かれるようになりました。そうした中で、例えば17世紀の肖像画に見られる、サテン生地の光沢や、繊細で質感あふれるレースの表現などに注目したり、時代につれて変化する描き方に注目したりして見ると、面白いと思います。また、展示に合わせ、期間限定で、中庭に面したカフェを「カフェ・ド・マリー」と名付け、ヨーロッパ各国の料理が詰まったワンプレートランチなどを提供します(6月10日まで)。

目と舌でヨーロッパを楽しむなんて、すてきな企画ですね!また、期間中、曜日ごとにシェフが代わる「輝く女性たちの料理店」も期間限定でオープンしたそうですね?

河野さんはい。それは美術館の入口横、離れに設けた屋外カフェです。その展示に合わせ、料理が好きな女性シェフを公募したところ、5人の皆さんが集まってくれました。曜日ごとにシェフは代わり、それぞれのレシピによるランチを1日20食提供します(6月10日まで。11時30分から14時30分まで)。リニューアルした県立美術館へ、どうぞ、ぜひお越しください!


※1 照明による物体の色の見え方の特性。色が自然光で見た場合に近いほど演色性が高い(良い)という。
※2 山口を拠点にした大名・大内氏の庇護(ひご)のもとで画業を大成し、水墨画に大きな足跡を残した、室町時代の画僧。
※3 雪舟の流れをくむ日本画の流派。萩藩の御用絵師。


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