2010年2月26日Vol.184山口県広報広聴課

山口県発信!これに注目!

 山口県では、「住み良さ日本一の元気県」の実現に向けて、さまざまな取り組みを進めています。そうした取り組みの中から特徴あるものを取り上げ、毎月第4週目の配信号で、県の担当者が紹介していきます。

山口県オリジナルかんきつ「ゆめほっぺ」:県農林総合技術センター 柑(かん)きつ振興センター

中島さん
注目

「ゆめほっぺ」というかんきつをご存じですか?山口県が交配・育成したオリジナルかんきつで、「とっても甘くておいしい!」と大人気です。今回は、「新しいかんきつに託す夢」と「ほおが落ちるほどのおいしさ」の二つの意味が込められた「ゆめほっぺ」に注目して、県農林総合技術センター柑きつ振興センターの中島勘太(なかしま かんた)さんに話を聞きました。


「ゆめほっぺ」ってどんなかんきつなのか、読者の皆さんに紹介していただけますか?

ゆめほっぺ
[中島さん]
周防大島町にある柑きつ振興センターでは、1981(昭和56)年から、甘いかんきつを求める消費者の皆さんの好みに合い、中晩柑(※)の目玉となる新品種の育成に取り組んできました。そして「清見(きよみ)」を母親、「吉浦(よしうら)ポンカン」を父親として交配・育成したものを2004(平成16)年3月、「せとみ」という名前で品種登録しました。「せとみ」の特徴はプチプチとした独特の食感があること、皮が簡単にむけること、中袋がとても薄いので袋ごと食べても口の中に皮が残らないこと、種がほとんどないことなど。特に糖度が高く、デコポンや温州(うんしゅう)ミカンよりも甘いことが一番の特長です!そのおいしい「せとみ」の中から一定の規準を満たしたものが「ゆめほっぺ」として出荷されています。「ゆめほっぺ」とは、公募により選ばれた愛称で、全国農業協同組合連合会山口県本部が商標登録した商品名です。とてもおいしいので、ぜひ食べてみてください!


そのおいしさが大人気となって、県外からの視察も多いとか。わたし自身、「ゆめほっぺ」の大ファンで、今年も販売が始まるのをすごく楽しみにしているんですよ!

[中島さん]
ありがとうございます!今も県外からの視察は多いのですが、「ゆめほっぺ」は県内だけで大事に育てていこうという方針です。他県の生産者の皆さんから「うらやましいなあ」という声があがるほど注目されているんですよ。今年の収穫は2月20日過ぎからで、収穫後、糖度と酸味がちょうどいいバランスになるまで貯蔵し、3月上中旬ごろから4月上旬ごろにかけて、主に県内のスーパーや量販店、首都圏に出荷される予定です。



「ゆめほっぺ」は4月までしか食べられないんですね。

貯蔵庫
[中島さん]
はい、そうです。ですが今、「ゆめほっぺ」の出荷期間を長くするための研究に取り組んでいるところです。5月から8月にかけては、国産かんきつの出荷量が大幅に減る端境期(はざかいき)。そこで、「ゆめほっぺ」を端境期にも出荷できるようにして付加価値を高めようと、「長期出荷を可能とする貯蔵方法」について研究しています。一般的にかんきつを長い期間貯蔵すると、腐ったり、独特の臭いが発生したりする割合が高くなります。でも、「ゆめほっぺ」は貯蔵性に比較的優れた品種なので、最適な温度・湿度で貯蔵すれば、高い商品化率を得られそうです。将来は皆さんに長い期間楽しんでいただけるのではないかと思っています。


そうなんですか!ほかにも新しい研究に取り組んでいるとか・・・?

ほ場の様子
[中島さん]
はい。「ゆめほっぺ」は夏秋期に乾燥すると、酸味が高くなるなどの弊害を生じます。また、乾燥により樹にストレスがかかると翌年に果実がつきにくくなります。そのため、おいしい果実を安定して作るためには、水分のコントロールが大事になります。そこで樹が水を必要とするタイミングをつかもうと今、樹の中の水分の動きについて研究に取り組んでいます。


じゃあ、今よりもっとたくさんおいしい「ゆめほっぺ」が、食べられるようになるかもしれないのですね!2006(平成18)年に初めて県内出荷された時はまだ数が少なくて、購入するのに苦労しました(笑)。今後出荷が増えて、多くの方に食べてもらえるといいですね。

せとみの樹
[中島さん]
2007(平成19)年度産の「せとみ」の出荷量は約40トン、そのうち「ゆめほっぺ」は約20トンでしたが、2008(平成20)年度の「せとみ」の出荷量は約70トン、「ゆめほっぺ」は約30トンに増えました。今年もおいしい「ゆめほっぺ」を多くの方に提供できそうですので、ぜひ食べてくださいね!また、さわやかな味の新しいかんきつの育種も検討していますので、楽しみにしていてください。


  • ※ 「ちゅうばんかん」と読む。1月ごろから出荷されるかんきつの総称。