コンテンツ2009年3月27日Vol.162 山口県広報広聴課

県庁職場訪問-カズとゆかりのおじゃまします-

県立美術館 [前編]

県立美術館の外観
 山口市のパークロード沿いにある「県立美術館」。1979(昭和54)年の開館以来、「郷土色豊かな美術館」「県民が参加する開かれた美術館」として、芸術文化の鑑賞・創造の場となっています。県立美術館の楽しみ方について知りたくて、同館におじゃまして学芸課長の斎藤郁夫(さいとう いくお)さんに話を聞きました!
カズ
[カズ]以前訪問した萩美術館・浦上記念館は、浮世絵と東洋陶磁器を専門とする美術館でしたが、県立美術館の特色は何ですか?
斎藤さん
[斎藤さん]はい。当館は絵画約460点、彫刻100点、写真約2,200点など約3,500点を収蔵しています。その中には、室町時代の画僧・雪舟(せっしゅう)とその流れをくむ雲谷派(うんこくは)の作品をはじめ、長門市三隅(みすみ)出身の香月泰男(かづき やすお)、山口市秋穂(あいお)出身の小林和作(こばやし わさく)、宇部市育ちの松田正平(まつだ しょうへい)の作品など、山口県ゆかりの芸術家の作品を数多く収蔵し、郷土色豊かな美術館を目指しています。
ゆかり
[ゆかり]郷土色豊かな美術館っていうのは、大きな魅力ですね!山口県ゆかりの芸術家にこういう人がいるんだって知ると、作品が身近に感じられます。雪舟は山口出身ではないけれど、室町時代、山口を拠点としていた西国一の守護大名・大内氏の庇護を受けて絵を描いていたそうですね?
雪舟 「牧牛図(牧童)」紙本墨画淡彩 15世紀
[斎藤さん]ええ。水墨画の本場・中国へ渡って絵の勉強をして、もどってから山口のアトリエ「雲谷庵」で絵を描いています。そうした関係から当館では、雪舟研究会を作り、雪舟を調査・研究しています。雪舟と雲谷派の作品は当館の代表的なコレクションで、特に雪舟については国の重要文化財に指定された作品を3点収蔵しており、国立博物館以外で雪舟の重要文化財を複数件収蔵しているのは当館だけなんですよ!
カズ
[カズ]雪舟や雲谷派の作品は、いつ見ることができますか?
[斎藤さん]はい。毎年11月頃に、常設展示室で雪舟の作品を展示します。防府市にある「毛利博物館」でも、この時期、同館所蔵の国宝の特別展を開催し、雪舟の「四季山水図」をはじめとした作品を鑑賞できます。また、雲谷派は萩藩の御用絵師を務めた流派で、雲谷という名称は雪舟のアトリエ「雲谷庵」に由来します。雲谷派の作品は、年数回にわたって常設展示室で展示しますので、ぜひご覧ください。
ゆかり
[ゆかり]山口県ゆかりの画家といえば、自らの戦争体験や抑留生活を描いた「シベリア・シリーズ」の香月泰男も有名ですね!
香月泰男室の様子
[斎藤さん]当館では、香月泰男の代表作「シベリア・シリーズ」の全57点を収蔵しているんですよ。現在シベリア・シリーズは少しずつ修復を進めている段階なので、今年は2回、数点を選んで展示します。また、彼のふるさと長門市三隅には、1993(平成5)年に開館した「香月泰男美術館」がありますので、合わせてご覧になると香月の魅力をより深く知ることができます。※
ゆかり
[ゆかり]多くの方に見ていただきたいですね。
カズ
[カズ]「郷土色豊かな美術館」ともう一つ「県民が参加する開かれた美術館」も目指しているとのことですが、どんな取り組みをしているんですか?
[斎藤さん]はい。美術家や地域の人たちと一緒になって、文化芸術によるまちの新たな魅力づくりを進めようと2007(平成19)年から「HEART(ハート)」展を始めました。ものづくりを身近に感じてもらうため、まちの中に美術館が出て行き、生活空間である山口市の商店街で、空き店舗などを活用したワークショップ(H19)や、豆腐パックで型を取ったモルタルブロックを商店街にある小道に敷き詰めて舗装するワークショップ(H19,20)などを行いました。
ゆかり
[ゆかり]皆さんの反応はいかがでしたか?
昨年の「HART展 続・ROUTE102」
[斎藤さん]それまで目立たなかった小道ですが、地元から「こんな小道があったんだ!」とか「きれいになったね!」といった声を聞くことができました。アートの発想はいろいろなところにあり、小さなことでも何かに気付くことから始まります。そして、ものを作ることや生活にアートを取り込むことによって、日常を楽しくできます。ものを作るのは楽しいことなんだよ、と伝えたかったので、子どもたちの楽しそうな様子はうれしかったですね。
  • ※<私の>里の春展を開催中(5月24日(日曜日)まで)

次回は、県立美術館で開催する展覧会など、そのほかの見どころをご紹介します。お楽しみに!


県立美術館 [後編]

美術館からみた裏庭の様子
 山口市に1979(昭和54)年に開館した「県立美術館」。県立美術館の特徴や、平成21年度に開催される展覧会などについて、学芸課長の斎藤郁夫(さいとう いくお)さんに聞きました!
カズ
[カズ]県立美術館は今年、開館30周年を迎えるそうですね?
[斎藤さん]はい。30周年の歩みを振り返る企画展として、6月19日(金曜日)から7月20日(祝日)まで、当館の収蔵品を中心に選んだ約60点を通して現代美術の流れを紹介する「現代美術の4つの絵画展」を行います。
カズ
[カズ]現代美術っていうと?
[斎藤さん]現代美術とは、一般的に第二次世界大戦後の美術のことを指し、絵画・彫刻などにしても、こうあるべきとされていた従来の描き方・作り方・考え方を根底から覆したものであることが特徴と言えます。例えば、油絵は油絵の具でキャンバスに描くものという既成概念を覆そうと、油絵の具に別のものを混ぜてベニヤ板に描いてみたり、廃品を使って彫刻を作ったり…。美術は時代を映して変化していく生き物。そうした考えから、当館では、積極的に第二次世界大戦後の美術作品も収集してきたんです。
ゆかり
[ゆかり]なるほど!この題名の「4つの絵画」ってどういうことですか?
田中稔之「動」1958年田中稔之「動」1958年
[斎藤さん]戦後の現代美術史を4つの時期に分け、各時期を象徴する絵画として4点を選んだものです。その絵画と同時期の写真や彫刻なども合わせて紹介することで、各時期の特徴を分かりやすく紹介します。山口県出身の画家・田中稔之(たなか としゆき)さんの作品など、山口県ゆかりの作家たちがどのように新しい美術の動きと関わっていたのかも分かる現代美術入門展となっています。
ゆかり
[ゆかり]絵画だけでなく、写真も見られるんですね!
福島菊次郎「ピカドン:27歳になった蓉子」1969年福島菊次郎「ピカドン:27歳になった蓉子」1969年
[斎藤さん]はい。当館では、早くから写真も収集してきたので、戦後の日本の写真史を語る上で欠かせない写真を数多く所蔵しています。山口県出身の写真家・福島菊次郎(ふくしま きくじろう)さんの作品「ピカドン:27歳になった蓉子」などを展示しますので、ぜひ見ていただきたいですね。
カズ
[カズ]ところで、毎年10月ごろには、作品を公募し、優秀な作品を展示する「山口県美術展覧会」があるそうですね?
平成20年山口県美術展覧会
[斎藤さん]はい。「山口県美術展覧会」の特徴は、先ほど話をした現代美術的な作品も多いことがあげられます。それは応募作品の規格を「搬入・展示が可能なものであれば、形式・寸法・重量・材質などは不問」として、ジャンルに捉われない自由な発想の作品を応募できるようにしているからなんです。
ゆかり
[ゆかり]形や大きさなどを問わない県の美術展って、全国的にも珍しいのでは?
[斎藤さん]ええ。現在の形になったのは1996(平成8)年からで、今でも他県から視察に来られているんですよ。
カズ
[カズ]最後に、今年開催する特別展を教えてください。
[斎藤さん]はい。8月から9月にかけては「大ナポレオン展」、11月から12月には「堀木エリ子展 」を開催します。堀木エリ子さんは、大阪や東京の商業施設、空港などで和紙を使った大規模なディスプレイを手掛け、伝統ある和紙の世界に新しい領域を切り開いたディレクター兼制作者として今、世界的に評価が高まっています。堀木さんの作品集をちょっとお見せしましょう。
ゆかり
[ゆかり]うわーっ!想像以上に大きい作品なんですね!形も斬新で、照明の光が透けて、とても神秘的! これが和紙でできているんですね。展覧会が楽しみです。
[斎藤さん]このほかにも、当館が所蔵する作品をテーマを決めて紹介するコレクション展を予定しています。どうぞお楽しみに。

次回は、農林総合技術センター農業研修部・農業大学校をご紹介します。お楽しみに!


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