コンテンツ2008年10月24日Vol.152 山口県広報広聴課

県庁職場訪問-カズとゆかりのおじゃまします-

県立萩美術館・浦上記念館 [前編]

萩美術館・浦上記念館
 浮世絵と東洋陶磁器を専門とする美術館として1996(平成8)年10月萩市に開館した「県立萩美術館・浦上記念館」。今年8月、開館以来の入館者が100万人を突破しました。どんな名品が見られるのか、同館におじゃまして徳留大輔(とくどめ だいすけ)学芸員に聞きました!
ゆかり
[ゆかり]美術館の名前は、萩美術館・浦上記念館っていうんですね。
徳留さん
[徳留さん]はい。当館は、萩市出身の実業家・浦上敏朗(うらがみ としろう)さんが寄贈した浮世絵と東洋陶磁器をもとにしていることから、浦上記念館と名付けられました。現在、浦上さんに名誉館長をお願いし、作品の展示替えの指導などを受けています。
ゆかり
[ゆかり]浮世絵と東洋陶磁器を専門とする美術館なのは、こういった訳なんですね。
[徳留さん]はい。浦上さんからの寄贈品に加え、歴史に沿った体系的な展示を行えるよう、県としても特定の作者や時代に偏らない作品収集を続けてきました。今年、染野義信(そめの よしのぶ)・啓子(けいこ)夫婦のコレクション241点の寄贈もあり、現在では浮世絵約5,200点、東洋陶磁器をはじめとする陶芸作品約890点を所蔵しています。
カズ
[カズ]所蔵品の目録を見ると、葛飾北斎(かつしか ほくさい)や鈴木春信(すずき はるのぶ)、喜多川歌麿(きたがわ うたまろ)、東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく)など、有名な浮世絵師の作品がズラリと並んでいるんですね。
風流無くてなゝくせ 遠眼鏡(葛飾北斎)
[徳留さん]ええ。それぞれの浮世絵師の代表的な作品を多く所蔵し、特別展や常設展で展示しています。でも、そうした代表的な作品を常に展示しているわけではないんですよ。浮世絵は、光に長時間当たると退色してしまうため、ちょっと薄暗いと思われるかも知れませんが、決められた明るさで、しかも1カ月間展示したら1年間は休ませるといったふうに展示しています。展示や保管の方法にとても気を使うんですよ。
ゆかり
[ゆかり]へーっ!浮世絵ってすごく繊細なんですね!美しい色彩は宝物。後世に大事に伝えていきたいですもんね。
[徳留さん]当館には、そんな浮世絵の中から厳選した名品1点だけを展示する「特別展示室」というのがあるんですよ。
特別展示室
ゆかり
[ゆかり]浮世絵を1点だけ展示する部屋?!それはスゴイですね!!そこにいる間は、作品を独り占めしたようなぜいたくな時間が味わえそうで…。
[徳留さん]はい。ゆっくり堪能してください。特別展示室に展示する浮世絵は、季節に合わせて毎月替えています。
カズ
[カズ]特別展といえば今、「イタリア現代陶芸の巨匠 カルロ・ザウリ展」を10月26日(日曜日)まで開催中ですね。浮世絵、東洋陶磁器だけじゃないんですね。
カルロ・ザウリの巨大な作品
[徳留さん]はい。当館は、浮世絵、東洋陶磁器のほか、萩市に立地しているということから、萩焼をはじめとした陶芸も展示の柱としています。かつて陶芸は産業の一部でしかなかったんですが、やがて自己を表現する芸術の一つとなっていきました。そうした中で、1950年頃から陶芸のオブジェが作られるようになりました。イタリアで、その先駆者となって新しい陶芸の流れを作り出していったのがカルロ・ザウリなんです。中世以来マジョリカ陶器※の産地であるファエンツァ市に生まれた彼は、マジョリカ陶器の伝統的な技法を自らのものにした上で、新たな自己表現を追求していった人です。同じように、歴史がある萩焼でも新たな自己表現を追求している陶芸家がたくさんおられます。そうした共通性があることから、カルロ・ザウリ展を開催することにした訳です。
ゆかり
[ゆかり]エントランスホールの彼の作品を見て、形がユニークだし、思ったより大きいし、何を表現しているんだろう?いったいどうやって作ったんだろう?…と、次々と興味がわいてきて、展覧会をしっかり見てみたくなりました。
[徳留さん]先日、「カルロ・ザウリ美術館」館長でもある彼の息子さんを講師にお迎えして、記念講演会を行ったんですが、その中で、カルロ・ザウリは陶芸家として有名になる前にプロのサッカー選手として活躍していたことなど、意外な話も聴くことができました。そうしたこぼれ話や、作品の見方、どうやって高さ約6メートルもある作品が作られたのかなどを学芸員が解説する「ギャラリーツアー」を期間中、毎週日曜日11時から行っています。ぜひご参加ください!

※イタリアを代表する錫釉(すずゆう)色絵(いろえ)陶器の総称

県立萩美術館・浦上記念館 [後編]

中庭の風景
前回紹介した特別展示室のほかにも「県立萩美術館・浦上記念館」の特徴ある展示室や今後の予定などについて、徳留大輔(とくどめ だいすけ)学芸員に聞きました!
ゆかり
[ゆかり]特別展示室のほかに、萩美術館ならではの展示室があるんですか。
[徳留さん]はい。ご案内しましょう。2階の展示室の一角には、天窓越しのやさしい自然光を取り入れた展示スペースを設けています。というのも、陶磁器は自然光のもとで見るのが一番だからです。こちらがそのスペースです。
自然光を取り入れた展示スペース
ゆかり
[ゆかり]わあ、これは面白い作品ですね!白一色で全体がうねっていて、大きくて迫力があって、何かを自由に連想させるというか。しかも、角度を変えて見ると、炎のようにも、天使の翼のようにも見えて。このスペースで、自然光のもとで見ると、独特の白さがいちだんと引き立つ感じがしますね。
カズ
[カズ]ほかにもユニークな和室の展示室があるそうですね?
[徳留さん]はい。茶室としてしつらえた展示室で、県内外のいろいろな分野の芸術家にその和風展示室を使って新しいことに挑戦してもらおうと作品の制作をお願いしています。この試みは、中学校の美術の教科書でも紹介されたんですよ。展示は1年単位で、今は「金子司(かねこ つかさ)さんによる茶室『種々(くさぐさ)』」と題したものを展示しています。こちらがその和風展示室です。どうぞ。
和風展示室での「金子司の茶室『種々』」の展示の様子
ゆかり
[ゆかり]うわあ…!これはすごい!わらびのような不思議な植物が、つぼみだったり、咲いたり、いろいろな形をしたものが畳一面に…。あっ、これ、全部、陶器なんですね!へーっ…。茶室の先入観を覆す思いがけない出会いに、なんだか楽しくなってきました。
[徳留さん]この和風展示室では、芸術家が自由に創りだした作品を、その作品を見る方が自由に発想し、感じていただければと考えています。
カズ
[カズ]今日は、徳留さんに館内を、そして展示作品について詳しく説明してもらい、作品への情熱を感じました。この展示の企画が学芸員の主な仕事だとは思うのですが、学芸員の仕事って一言で言うと?
学芸員室
[徳留さん]体力・気力の仕事です。大きくて重たい作品を運ぶことも多いので(笑)。もちろん、展示の企画が学芸員の主な仕事です。ほかの美術館などと連携して調査・企画することもあるんですよ。今も愛知県陶磁資料館と展覧会の企画を進めているところです。その展覧会では、近年、中国の沈没船から出土した新発見の陶磁器などを展示しようと考えているんです。
ゆかり
[ゆかり]沈没船から出土した新発見の陶磁器?へーっ、面白そうですね!
[徳留さん]ええ!船がどこに向かおうとしていたかで、積んでいた品物が違うんです。品物からは当時の人々がどんな美意識を持っていたのかなども見えてきます。また、どういった目的で人・モノが往来し、影響を与え合っていたのだろうと考えていけば、タイムカプセルを紐解く感じで本当に面白いです!
カルロ・ザウリ展風景
ゆかり
[ゆかり]なるほど!学芸員の仕事って話を聞いているだけでワクワクしてきますね。今後、そんな魅力ある展覧会が見れることを、楽しみにしています。
カズ
[カズ]ところで、10月27日(月曜日)からしばらく休館されるそうですね?
[徳留さん]はい。残念ですが、新たに整備する陶芸展示施設の関連工事のため、来年の2009(平成21)年3月31日(火曜日)まで休館します。4月以降は、今年寄贈を受けた故・染野義信・啓子(そめの よしのぶ、けいこ)ご夫妻のコレクションの展覧会を予定しています。コレクションの中には、「萩焼」の重要無形文化財保持者(人間国宝)である三輪壽雪(みわ じゅせつ)さんをはじめとした県内作家や荒川豊蔵(あらかわ とよぞう)さんといった近現代の代表的な陶芸家のすばらしい作品がたくさんあります。
また、新たに整備する陶芸展示施設は2010(平成22)年度にオープンする予定です。萩焼発祥の地に陶芸展示施設を整備することで、当県の誇る陶芸文化の継承・発展を図り、広く全国に向けて情報を発信して行きます。どうぞお楽しみに!

次回は、こころの医療センターをご紹介します。お楽しみに!



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