コンテンツ2008年10月10日Vol.151 山口県広報広聴課

県庁職場訪問-カズとゆかりのおじゃまします-

県立萩美術館・浦上記念館 [前編]

萩美術館・浦上記念館
 浮世絵と東洋陶磁器を専門とする美術館として1996(平成8)年10月萩市に開館した「県立萩美術館・浦上記念館」。今年8月、開館以来の入館者が100万人を突破しました。どんな名品が見れるのか、同館におじゃまして徳留大輔(とくどめ だいすけ)学芸員に聞きました!
ゆかり
[ゆかり]美術館の名前は、萩美術館・浦上記念館っていうんですね。
徳留さん
[徳留さん]はい。当館は、萩市出身の実業家・浦上敏朗(うらがみ としろう)さんが寄贈した浮世絵と東洋陶磁器をもとにしていることから、浦上記念館と名付けられました。現在、浦上さんに名誉館長をお願いし、作品の展示替えの指導などを受けています。
ゆかり
[ゆかり]浮世絵と東洋陶磁器を専門とする美術館なのは、こういった訳なんですね。
[徳留さん]はい。浦上さんからの寄贈品に加え、歴史に沿った体系的な展示を行えるよう、県としても特定の作者や時代に偏らない作品収集を続けてきました。今年、染野義信(そめの よしのぶ)・啓子(けいこ)夫婦のコレクション241点の寄贈もあり。現在では浮世絵約5,200点、東洋陶磁器をはじめとする陶芸作品約890点を所蔵しています。
カズ
[カズ]所蔵品の目録を見ると、葛飾北斎(かつしか ほくさい)や鈴木春信(すずき はるのぶ)、喜多川歌麿(きたがわ うたまろ)、東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく)など、有名な浮世絵師の作品がズラリと並んでいるんですね。
風流無くてなゝくせ 遠眼鏡(葛飾北斎)
[徳留さん]ええ。それぞれの浮世絵師の代表的な作品を多く所蔵し、特別展や常設展で展示しています。でも、そうした代表的な作品を常に展示しているわけではないんですよ。浮世絵は、光に長時間当たると退色してしまうため、ちょっと薄暗いと思われるかも知れませんが、決められた明るさで、しかも1カ月間展示したら1年間は休ませるといったふうに展示しています。展示や保管の方法にとても気を使うんですよ。
ゆかり
[ゆかり]へーっ!浮世絵ってすごく繊細なんですね!美しい色彩は宝物。後世に大事に伝えていきたいですもんね。
[徳留さん]当館には、そんな浮世絵の中から厳選した名品1点だけを展示する「特別展示室」というのがあるんですよ。
特別展示室
ゆかり
[ゆかり]浮世絵を1点だけ展示する部屋?!それはスゴイですね!!そこにいる間は、作品を独り占めしたようなぜいたくな時間が味わえそうで…。
[徳留さん]はい。ゆっくり堪能してください。特別展示室に展示する浮世絵は、季節に合わせて毎月替えています。
カズ
[カズ]特別展といえば今、「イタリア現代陶芸の巨匠 カルロ・ザウリ展」を10月26日(日曜日)まで開催中ですね。浮世絵、東洋陶磁器だけじゃないんですね。
カルロ・ザウリの巨大な作品
[徳留さん]はい。当館は、浮世絵、東洋陶磁器のほか、萩市に立地しているということから、萩焼をはじめとした陶芸も展示の柱としています。かつて陶芸は産業の一部でしかなかったんですが、やがて自己を表現する芸術の一つとなっていきました。そうした中で、1950年頃から陶芸のオブジェが作られるようになりました。イタリアで、その先駆者となって新しい陶芸の流れを作り出していったのがカルロ・ザウリなんです。中世以来マジョリカ陶器※の産地であるファエンツァ市に生まれた彼は、マジョリカ陶器の伝統的な技法を自らのものにした上で、新たな自己表現を追求していった人です。同じように、歴史がある萩焼でも新たな自己表現を追求している陶芸家がたくさんおられます。そうした共通性があることから、カルロ・ザウリ展を開催することにした訳です。
ゆかり
[ゆかり]エントランスホールの彼の作品を見て、形がユニークだし、思ったより大きいし、何を表現しているんだろう?いったいどうやって作ったんだろう?…と、次々と興味がわいてきて、展覧会をしっかり見てみたくなりました。
[徳留さん]先日、「カルロ・ザウリ美術館」館長でもある彼の息子さんを講師にお迎えして、記念講演会を行ったんですが、その中で、カルロ・ザウリは陶芸家として有名になる前にプロのサッカー選手として活躍していたことなど、意外な話も聴くことができました。そうしたこぼれ話や、作品の見方、どうやって高さ約6メートルもある作品が作られたのかなどを学芸員が解説する「ギャラリーツアー」を期間中、毎週日曜日11時から行っています。ぜひご参加ください!

※イタリアを代表する錫釉(すずゆう)色絵(いろえ)陶器の総称

次回は、県立萩美術館・浦上記念館のそのほかの見どころなどをご紹介します。お楽しみに!



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