コンテンツ2008年10月24日Vol.152 山口県広報広聴課

県庁職場訪問-カズとゆかりのおじゃまします-

県水産研究センター[前編]

水産研究センター 外海研究部
 三方が海に開かれた「水産県」山口。県水産研究センターには、長門市仙崎(せんざき)に拠点を置く外海研究部と、山口市秋穂二島(あいおふたじま)に拠点を置く内海研究部があります。「幻の高級魚」キジハタの国内トップクラスの種苗生産(※)や県独自の間伐材漁礁開発などに取り組んでいる当センターにおじゃまして、同センター企画情報室の渡邉直(わたなべ すぐる)主査に話を聞きました!
カズ
[カズ]県水産研究センターは、どうして外海研究部と内海研究部に分かれているんですか?
渡邉さん
[渡邉さん]日本海側と瀬戸内海側とでは海洋環境や魚の種類が異なることから、それに応じた漁具・漁法が発達しました。それぞれの特徴に応じた調査研究を行うため、日本海側の外海研究部と瀬戸内海側の内海研究部に分かれています。外海研究部では海洋観測、アマダイ・キジハタなどの生産技術開発、鮮度保持のためのシャーベット状氷の調査研究など、内海研究部は漁具の改良試験、アサリ・カイガラアマノリなどの増殖試験、環境・赤潮調査、魚病の診断などを行っています。
カズ
[カズ]なるほど!では、まず、外海研究部の方からお聞きします。漁業調査船が2隻あるそうですね?
[渡邉さん]はい。119トンの「くろしお」と16トンの「第2くろしお」の2隻で、水温や塩分、流れ、魚群などを調べる海洋観測、人工魚礁の効果調査、水産資源調査などを行っています。特に、漁業者に関心の高い調査結果は、ファックスやメール、漁業無線などで漁業者にすばやく提供しているんですよ。今年7月には、萩市沖の表層水温が観測史上最高の水温29.38度を記録しました。魚類は水温が30度近くになると生理的に耐えれず漁獲物の鮮度に大きな影響を及ぼすので、いち早く漁業者に伝えました。
カズ
[カズ]漁業者の皆さんに、とても役立っているんですね。他にも「間伐材魚礁」の研究に取り組んでいるそうですね?
間伐材魚礁に集まった魚類
[渡邉さん]はい。人工魚礁とはコンクリートや鋼材などで魚のすみかを人工的に作るものですが、間伐材の利用促進を図ろうと、山口県では独自に、鉄枠やコンクリートに間伐材を組み合わせた間伐材魚礁を開発しているんです。
ゆかり
[ゆかり]へーっ、山口県独自の取り組みなんですか!効果の方はどうですか?
[渡邉さん]従来型の魚礁より多くの魚が集まってきます。間伐材魚礁には、フジツボなどの生物が多くくっつき、それらの生物が魚の餌となって、いい漁場ができるようです。間伐材魚礁はまだ開発途上ですが、今、漁船の燃料である重油代が高騰している中、間伐材魚礁を漁業者の近場に設置できるのではないかと期待されているんです。
ゆかり
[ゆかり]おーっ、それはいいですね!!私はこの前、萩沖でとれたばかりのアマダイを刺身にしていただいたんですが、本当に甘くてコリコリしていて大感激しました!あんなにおいしいとは…。
カズ
[カズ]外海研究部では、漁業者の皆さんと協力してアマダイの資源回復に取り組んでおられるそうですね?
アマダイの親魚
[渡邉さん]はい。山口県のアマダイ漁獲量は2002(平成14)年から2004(平成16)年にかけて日本一でしたが、ここ数年、漁獲量が減っているんです。このため、漁業者自らが、国の研究機関へ受精卵を送り、そこで育てたアマダイの稚魚を県内で放流したのがきっかけとなり、当研究部でも、漁業者の要望を受け、アマダイの種苗生産の技術開発を行っています。
ゆかり
[ゆかり]アマダイの種苗生産って、技術的に難しいそうですね。
[渡邉さん]ふ化した仔魚(しぎょ)は非常に小さく、その口に合う大きさの餌を与えないといけません。そうした餌の培養技術など、さまざまな課題を解決できたことから、今では山口県が全国最多のアマダイの種苗を放流できるようになったんです。
カズ
[カズ]キジハタの種苗生産にも取り組んで、国内トップクラスの大量生産に成功したそうですね?
水産研究センターの水槽で泳ぐキジハタの親魚
[渡邉さん]はい。キジハタはとてもおいしく、全国的に漁獲量が少ないことから「幻の高級魚」と呼ばれているんです。2003(平成15)年度から種苗生産に取り組み、2005(平成17)年度には小型水槽1トン当たりの生産密度が約1,000尾という国内トップクラスの成績を収めました。今年度は県栽培漁業公社の30トンの大型水槽3槽で過去最高となる115,725尾の種苗生産に成功し、9月下旬に県内各地の海に放流する予定です。油谷(ゆや)湾では、漁獲されたキジハタ150尾中120尾が放流魚という好結果が出ているんですよ!
ゆかり
[ゆかり]すごいっ!(拍手)。幻の高級魚キジハタ、食べてみたいなあ…。ほかにもいろいろな研究をされているそうですが、渡邉さん、これからもぜひがんばってくださいネ!!
  • ※人工的に卵をふ化させて育成すること。

県水産研究センター[後編]

水産研究センター内海研究部
 前回紹介した「幻の高級魚」キジハタの種苗生産(※)が国内トップクラスの県水産研究センター外海研究部に引き続き、今回は、国内トップクラスの二枚貝の人工種苗生産技術を持ち、全国的にもとても珍しいカイガラアマノリを山口県の特産品とするため養殖技術開発などに取り組んでいる同センター内海研究部について、企画情報室の秦紳介(はた しんすけ)主査に聞きました!
ゆかり
[ゆかり]山口県といえばフグ!しかも、そろそろフグの季節。フグの漁獲量が減少していることから資源回復のため、稚魚の放流を山口県・愛媛県・大分県で共同して行っていると聞いたんですが?
秦さん
[秦さん]はい。平成18年度から3県が稚魚を持ち寄って放流しています。放流場所は、3県の候補地の中から、どこへ放流したら最も高い放流効果が得られるか調べるために、毎年1カ所を選んでいます。
カズ
[カズ]放流したフグかどうか確認できる方法はあるんですか?
[秦さん]はい。放流するトラフグには、背中に焼き印を付けているので分かります。焼き印の位置も県により違うんですよ。魚市場へ行って、焼印のついたトラフグが水揚げされるのを調べたり、フグ加工会社が処理したトラフグの皮を購入して、焼印がついている皮を調べます。今後も放流事業の費用対効果を検討するため、放流の実施・調査などを行うこととしています。
カズ
[カズ]アサリなど二枚貝の飼育技術の研究にも取り組んでいるそうですね?
[秦さん]県内の瀬戸内海では今、アサリが激減し、漁業としてほとんど成り立っていない状況です。山口県の二枚貝の人工種苗生産技術は全国でもトップレベルですが、アサリであれば漁業者が10ミリ以上まで中間育成してから放流する必要があり、また、安価で大量に育成する方法がなかったため人工種苗の利用があまり進んでいません。そこで、安価で大量に中間育成できる飼育技術を研究開発しているというわけです。
ゆかり
[ゆかり]その研究開発の状況はいかがですか?
アサリの保護ネット
[秦さん]卵からふ化した二枚貝は、最初はプランクトンとして海中で浮遊して生活し、やがて薄い貝殻ができると砂の中で成長していくんです。これを人工的に育てるには餌の確保などが難しいんです。そこで、飼育海水の中で餌の微細藻類を増やしながら成長させる方法に取り組んだところ、いい結果がでたことから、現在、その飼育方法の特許を出願中です。また、放流後は、カニやナルトビエイなどに食べられてしまうことが多いため、干潟を保護ネットで覆うようにしたところ、無事に成長して砂の中からザックザク(笑)。アサリ漁場の復活に期待が持てる、と漁師の方々がとても喜んでくださっているんですよ!
ゆかり
[ゆかり]おーっ、それは良かったですね!アサリといえば、山陽小野田市の沖合アサリが評判でしたが、今や、ナルトビエイに食べられて、ほとんどとれなくなったとか。
ナルトビエイ
[秦さん]ええ。ナルトビエイはもともと暖海性の魚。アサリを大量に食べるこの魚が近年、瀬戸内海で、集団で見られるようになったことから、アサリが激減した大きな理由の一つと考えられています。しかし、ナルトビエイは一年中瀬戸内海にいるのかなどまだ不明な点が多く、その生態を調査中です。駆除はすでに始まっており、捕獲したナルトビエイを飼料にするほか、小・中学校の給食への提供や地域の皆さんによる特産品づくりなどの食材化する取り組みも行われています。
カズ
[カズ]カイガラアマノリという珍しい海藻を、山口県の特産品とするため増殖技術の開発に取り組んでいるそうですが、そのカイガラアマノリってどんなものなんですか?
カイガラアマノリ
[秦さん]はい、カイガラアマノリとはアサリやカキなどの貝殻からしか生えない、紅色をしたノリの一種です。全国的にもほとんど分布していなくて、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧1類に指定されています。山口湾で自生が確認されたのは1990(平成2)年のこと。限られた場所でしか採れない紅色の海藻があり、地域の人たちがそれを採取して、そうめんのつゆに使ったり、乾のりにして昔から食べている、と研究員が聞いたのがきっかけです。調べてみたら絶滅危惧種に指定されている海藻だと分かり、じゃあ、増やす技術を開発して山口県の特産品にしようと。そして分布に影響がないように、枯れる時期に採った胞子を種にして栽培方法を研究し、収穫できたものを「板のり」や「ばら干し」の製品として試作。食べてみると、風味がよくて、口の中でとろっととろける、独特のやさしい口当たりで甘味もあり、これがなかなかおいしくて…。
ゆかり
[ゆかり]へーっ、それはぜひ食べてみたいです!で、その試作品は…、今日はないんですね、残念(笑)。カイガラアマノリの商品化を楽しみに待ちます!今日は、いろんな成果を伺えてうれしくなりました。ほかにもいろいろな研究をされているそうですが、これからも頑張ってくださいね!
  • ※人工的に卵をふ化させて育成すること。

次回は、萩美術館・浦上記念館をご紹介します。お楽しみに!



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