コンテンツ2007年6月22日Vol.120 山口県広報広聴課

県庁職場訪問-ちえみとゆかりのおじゃまします-
公害・漁業調査船せと  県庁職員に船乗りがいるってご存じですか?その「職場」となる船の一つが、徳山港を母港としている「公害・漁業調査船せと」です。一体どのような仕事をしているのかを知りたくて、調査へと出港する「せと」におじゃまし、船長の嶋田大龍(しまだ だいりゅう)さんにお話を伺ってきました!
ノブ
[ノブ]今日はお世話になります!早速ですが、船長、この「せと」はいつから就航しているのですか?
操縦席の様子
[嶋田さん]1975(昭和50)年に公害調査船として就航したのが最初です。その後、漁業調査船と統合し、現在の「せと」は1996(平成8)年に建造された3代目の船になります。総トン数は30トン。速力は25ノット(時速約45キロ)。乗組員は5人です。さあ、そろそろ出航しますが、いいですか?
ノブ&ゆかり
[ノブ][ゆかり] ハイ!!よろしくお願いします!
徳山港を出航し、仙島(せんじま)水道へ。
右岸には周南コンビナートが続きます。
ノブ
[ノブ]おーっ、壮観だなあ!海から見ると、徳山湾沿いに工場がズラリと並んでいることがよく分かりますね!
大きな船
[嶋田さん]ええ。この辺りはゆっくり航行しないといけないんです。スピードを出すと、船によって立つ波であそこに見えるような大きな船であっても揺れ、荷揚げ作業している人が思わぬ事故にあったりします。漁船で漁をしている漁師さんは、海に投げ出されたりしかねません。
ゆかり
[ゆかり]気を使うんですね。ところで、「せと」の皆さんはどんな仕事をしておられるのですか?
海水採取の道具
[嶋田さん]主な仕事は、環境省や山口県が決めた地点の海水や海の底の土の採取といった「公害調査業務」と、赤潮の監視や採水などの「漁業調査業務」です。
ノブ
[ノブ]赤潮といえば、先日(5月16日)、徳山湾で赤潮警報が発令されたそうですね。赤潮って、そもそもどんなものなのですか?(※)
[嶋田さん]ヘテロシグマアカシオなどの有害プランクトンが異常繁殖し、海水が赤く変色してしまう現象を赤潮といいます。赤潮が発生すると、日中は光合成によって海水を過飽和酸素状態に、朝方は増殖や呼吸などによって貧酸素状態にしてしまうため、魚などが大量に死んでしまうことがあるのです。そのため、私たちは赤潮を発見したら、県水産研究センターへすぐに連絡して採水。センターでの分析結果に応じて県は注意報・警報を発令。それによって漁業関係者の皆さんは赤潮の発生していない、より深い海中へいけすをいち早く移動させるなどして、漁業被害の防止に努めるわけです。5月から7月の梅雨時期と10月の秋雨時期の瀬戸内海は赤潮が発生しやすいので、「せと」では監視を強化しているんですよ。
ゆかり
[ゆかり]赤潮って、本当に海が赤くなるんですか?
赤潮被害を受けている海面
[嶋田さん]ええ。種類によって薄く緑がかる場合、真っ赤になる場合も…。んんん…?この辺り、海が少し赤いですね!これが赤潮です!
船長、すぐに県水産研究センターへ携帯電話で連絡
ノブ&ゆかり
[ノブ][ゆかり] うーん。ショック…。でも、先ほどのところから少し離れると、海はもう普通の色に戻っているんですね。
[嶋田さん]ええ。赤潮はスポット的な発生が多いんです。でも、気象条件によって広い海域で発生する恐れがあるので、注意が必要なんですよ。
ゆかり
[ゆかり]ところで、「せと」には公害・漁業調査以外の仕事もあるのですか?
[嶋田さん]はい。例えば船の沈没などによる油流出事故といった緊急の場合には現場へ急行し、油の回収業務に当たることもあるんですよ。
ノブ&ゆかり
[ノブ][ゆかり] えっ、油の回収業務も?!それはとても大変そうですね!!!
[嶋田さん]油が沿岸まで漂着すると被害が拡大するので、一刻も早く沖合で食い止めないといけません。昨年7月にも県境に近い愛媛県大洲(おおず)市青島(あおしま)沖で約1900トンの貨物船が沈没し、重油が浮流。「せと」も現場へ急行し、海上保安庁や愛媛県と連絡を取り合って作業に当たったんです。母港の徳山港まで戻ると時間が無駄になるので、夜は現場に近い上関港に停泊、乗組員は船内に寝泊まりし、数日間作業に従事しました。そうしたときのために、この船にはベッドも備えてあるんです。よかったらご案内しましょうか。
ノブ&ゆかり
[ノブ][ゆかり] はい!ぜひお願いします!
※徳山湾の赤潮警報は6月6日に赤潮注意報に切り替えられました。警報期間中の、この赤潮による漁業被害は報告されていません。

乗組員の皆さん 瀬戸内海で活動している「公害・漁業調査船せと」。どんな調査を行っているのか、乗船して船長の嶋田大龍(しまだ だいりゅう)さんに話を伺うとともに、調査結果がどう生かされているのかを知りたくて県環境政策課の殿河内英雄(とのごうち ひでお)さん、田中潤(たなか じゅん)さんの職場にもおじゃましました!
ゆかり
[ゆかり]へーっ!ベッドのほかにちょっとした台所まであるんですね!
簡易ベッド
[嶋田さん]みんな料理上手で、きょうの昼食も船内で作るんですよ。
ノブ
[ノブ]ところで、船長、公害調査船が就航するようになった理由は何ですか?
[嶋田さん]1973(昭和48)年に徳山湾で発生した公害問題がきっかけです。
ゆかり
[ゆかり]でも、今はそうした公害問題は発生していないんですよね?
慎重に操船する船長
[嶋田さん]はい。その後、工場の設備は改善され、有害物質を含んだ海底のヘドロも除去されました。県では環境状況の監視を継続しており、その一環として「せと」により、環境省や山口県が決めた地点の水質調査を毎月行っているんです。
最近では、工場が設置した排水口が申請通りであるか、手続きを経ずに新設・変更されていないか、「せと」による海上の抜き打ち検査も行っています。これは、満潮の時は、排水口が海面下にあることが多いため、干潮時に行うのですが、水深が浅くなるため、座礁しないよう、かなりの操船技術が必要です。「せと」にはエンジンもプロペラも2基ずつあるので小回りがきき、操船技術を機能的にバックアップしています。どんな感じか、ちょっとやってみましょうか。
ノブ&ゆかり
[ノブ][ゆかり] おーーーっ!本当にあっという間に旋回!スゴイ!!(拍手)ん…?船長。船が停まりましたよ?
[嶋田さん]ここが9水域75地点ある水質調査地点の一つなんです。
【後甲板から器具を水深2メートルに投入して採水】
海水採取の様子
[嶋田さん]以前は検査員が乗船していたので、乗組員の仕事は定点まで確実に操船することだったんですが、今では、操船だけにとどまりません。採水から始まって、海水の温度・色・透明度などチェックし、分析機関へ引き渡すまでの作業を行うことが求められているんですよ。
【ノブとゆかり下船。県庁内にある環境政策課を訪ねました】
ゆかり
[ゆかり]「せと」が採水した検体はこの後どう使われるのですか?
[田中さん]検体は県環境保健研究センターや民間の専門機関で分析します。その結果は、山口県環境白書や、「やまぐちの環境」ホームページで公表するとともに、水質の改善あるいは維持の事業を行うためのデータとして利用していきます。
ノブ
[ノブ]最近の水質調査の結果は、どんな状況なのですか?
[殿河内さん]環境省によって、水に含まれる物質はこの程度であることが望ましいという環境基準が設けられています。人の健康に関する26項目(健康項目)と、生活環境に関する10項目(生活環境項目)があるのですが、その達成率でお話ししましょう。
健康項目は、自然由来のヒ素を除き、山口県のすべての地点で基準を達成しています。
生活環境項目のうち、よく耳にされるCOD(化学的酸素要求量※)をみると、山口県の水質、海や河川、湖などの全体では、良くなってきています。しかし、海だけを見ると環境基準達成率は1989(平成元)年の86.1%から2005(平成17)年には 66.7%に下がっているんです。これは太平洋の水質が悪くなってきており、それが瀬戸内海へ流れ込んできているためで、山口県に限らず瀬戸内海はどこも同じような状況なんです。環境省によれば、東京湾などに比べると瀬戸内海は比較的良好に推移しているということではあるんですが…。
ノブ
[ノブ]そうなんですか!工場の排水基準は厳しくなっているので、きっと良くなっていると思っていたんですけれど。
[田中さん]ええ。でも、瀬戸内海のCODの原因は工場排水だけではないんです。山口県では排出源の約4分の1を家庭からの生活排水が占めているんですよ。
ゆかり
[ゆかり]ということは、きれいな海、豊かな海を守るために私たちにも何かできるってことですか?
殿河内さんと田中さん
[殿河内さん]ハイ!!川にごみを捨てない。台所などで洗いものをするときは油分をふき取ってから洗う、残飯を流さない。そうしたことが海を守ることにつながります。一人ひとりのご協力をぜひお願いします!
※COD…海や湖などの有機物による汚濁の状況を測る指標。CODが高いほど水質は悪く、魚などが生息しづらい状況を示します。


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