元気になるメールマガジン!! 山口きらめーる
 
目次 2006年6月23日[Vol.96]号 山口県広報広聴課
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おもしろ山口学

フグの仲間たち 著/石橋敏章(下関市立しものせき水族館「海響館」館長)

前編『フグの仲間たち』

ハコフグの仲間、ホワイトバードボックスフィッシュ
ハコフグの仲間、ホワイトバードボックスフィッシュ
 下関市立しものせき水族館「海響館」では、開館以来、フグ目魚類が展示の大きな柱となっています。今や世界中から集められたフグ100種を常時展示するまでになりました。現生のフグ目魚類は約350種といわれていますから、これはもう世界一の規模であり、フグの水揚げ量が日本一の南風泊(はえどまり)市場をもつ「ふく」の街・下関ならではのコレクションです。
 フグ目魚類は極地を除いた世界中の海にすむほか、東南アジアやアフリカ、南アメリカの淡水域、そして海水と淡水が交じり合う汽水域などにもすんでいます。色や姿形もいろいろです。食用となるトラフグのようなフグ類のほかに、体の後半部を置き忘れてきたような形のマンボウ類。オモチャの魚のように泳ぐハコフグ類やイトマキフグ類は固い骨の板が体を覆っています。鋭いトゲを体表に持つハリセンボン類、それにカワハギ類やモンガラカワハギ類など実に多様性に富んでいます。共通するのは、背ビレと尻ビレを同じ方向にパタパタと動かすユーモラスな泳ぎ方や、歯の数が少ないか、あるいはそれらが合わさってクチバシ状になっていること、そしてギマ類やモンガラカワハギ類を除くと腹ビレが退化して無いことです。また、ウロコが退化して、無くなったり、変化してしまった点や、丸くかわいい大きな目もフグ目魚類の特徴です。

 

マンボウもフグの仲間
マンボウもフグの仲間
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後編『フグ目100種展示の裏側』

砂に潜るトラフグ
砂に潜るトラフグ
 100種のフグ目魚類を常時展示するには、世界中から収集し、健康に飼育するための工夫と努力が必要とされます。例えば、販売ネットに申し込んだり、水族館同士のネットワークで探したりします。休日返上で定置網の漁獲物を調べている職員もいます。外部寄生虫に冒されやすいので、体表やヒレの毎日の観察が欠かせません。有名な掃除魚ホンソメワケベラを同居させて、体表の寄生虫を食べてもらう工夫もしています。種の組み合わせによっては激しいケンカもするので組み換えが必要とされます。そして、ハコフグ類は衰弱すると体表からパフトキシン毒を出して同居する魚を死亡させるので観察がとても重要となります。
 このようにフグ目魚類の飼育展示はとても手間が掛かるのですが、時には産卵、そして赤ちゃん誕生という嬉しい場面に出会うこともできます。本年もメコンフグで繁殖に成功し、これらの赤ちゃんの里親を募集したところ100人以上の応募があり、子育ての楽しさと苦労を里親さんたちと分かち合っています。
  フグ目魚類の中にはお腹を膨らませる事や砂に潜る事、それに目をつぶる事ができたり、体の各部に毒を持つグループがいるなど特異な点が多く、今後も「フグの不思議と魅力」を皆さんにお伝えしていきたいと思います。

 

メイタイシガキフグ
メイタイシガキフグ