元気になるメールマガジン!! 山口きらめーる
 
目次 2006年5月26日[Vol.94]号 山口県広報広聴課
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おもしろ山口学

鳥たちの楽園 著/原田量介(県立きらら浜自然観察公園 チーフレンジャー)

前編『山口県は渡り鳥の交差点』

淡水池とビジターセンター
 日本で観察された野鳥は約550種類、そのうち約63%が長距離の移動をするいわゆる渡り鳥と呼ばれる夏鳥や冬鳥、旅鳥たちです。
 渡り鳥の多くは目的地に移動する際、できるだけ陸地沿いで最短距離のコースを選ぶため、陸の先端(半島の先)に集まり海を渡り次の陸地を目指します。本州の最西端にある山口県は、ロシア北東部から日本列島を縦断して東南アジア方面へ移動する鳥や、中国大陸から朝鮮半島を経由して日本に飛来する鳥たちが必ず通過する渡り鳥の交差点となっています。そのため多くの野鳥が観察され、現在までに378種類の記録があります。
 県の瀬戸内海側に位置するきらら浜と山口湾一帯は、豊かな自然環境に恵まれ多くの野鳥が飛来します。2001年4月にオープンした「県立きらら浜自然観察公園」の面積は30ヘクタール。その中に淡水池、ヨシ原、干潟、汽水池、樹林の自然環境と、淡水ビオトープ、ベッコウトンボが生息するトンボ池などが整備され、きらら浜に生育・生息していた野鳥を中心とする多様な生態系が保全されています。パークレンジャー(自然観察指導員)をはじめ9人のスタッフがさまざまな試みを行い、誰もが身近に自然を観察し、ふれあい親しむことができるように、観察のお手伝いや自然情報の提供などを行っています。
 春から夏は鳥たちの繁殖の季節。さえずりや子育ての様子などが観察でき、感動的な出会いがあります。四季を通じて観察できる野鳥は約140種類。これまでに公園を訪れた野鳥は178種類になりました。きらら浜自然観察公園は自然と人との共存を目指しています。

 

ハマシギの群れ
ハマシギの群れ
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後編『日本初!カイツブリの水上ハウス』

水上ハウスとカイツブリの親子
 カイツブリは全国の湖沼に生息する体長26センチメートルほどの水鳥です。一生のほとんどを水面で過ごし、エサは小魚・エビ・水生昆虫などで、巧みに水に潜って捕らえて食べます。昔はどこの池にでも生息していた鳥ですが、近年、全国的に生息数が減っています。池の護岸改修やブラックバスなどの外来魚の増加が主な原因といわれています。
 カイツブリは水面に水草などを集めて浮き巣を作ります。きらら浜自然観察公園にある3ヘクタールの淡水池では毎年5~7つがいのカイツブリが繁殖をしていますが、せっかく巣を作って卵を産んでも、カラスに盗られたり、強い風が吹くと波が立ち、巣や卵が水没してしまうという悲しい出来事が続いていました。そこで、何とかカイツブリの繁殖が成功するようにと、公園のレンジャーがいろいろな人工巣台を作り設置してきましたが、台風や大雨には打つ手がありませんでした。
 しかし、昨年ついに発泡スチロールの板とビニール製の苗帽子を利用した究極の巣台が完成しました。次々と襲ってきた台風にも平気で、カイツブリはこの水上ハウスの中で抱卵や子育てをし、設置した5個の水上ハウスすべてでかわいいヒナを見ることができました。カイツブリ用の水上ハウス(人工巣台)は全国でも初めての試みです。
 今年も公園の淡水池には5個の水上ハウスが浮かんでいます。6月下旬ごろにはかわいいヒナをたくさん見ることができるでしょう。

 

カイツブリ
カイツブリ