元気になるメールマガジン!! 山口きらめーる
 
目次 2005年11月25日[Vol.82]号 山口県広報広聴課
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県庁最前線

報道発表「八代(やしろ)のツル渡来数回復対策事業に係るデコイの設置について(県文化財保護課 平成17年10月7日発表)」から、山口県の“今”に迫ります。

ナベヅル
 周南市八代は、全国に2カ所しかないシベリアからのナベヅル渡来地として、国の特別天然記念物に指定されています。でも、渡来するツルの数は、昭和15年の355羽をピークに、今年11月21日現在2家族7羽に…。ツル渡来数を増やすため、県では専門家や地元の皆さんと、さまざまな取り組みを行っています。今回は、県教育庁文化財保護課に聞きました。

 

八代所在地
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Q 「八代のツル渡来数回復対策事業」とは、どういう事業なんですか?

Answer
デコイ設置状況
デコイ設置状況
 平成6年、ツルの数が30羽を下回り、専門家から「今後いつゼロになってもおかしくない。大変危機的な状況で、何とかしなくては」という声が上がりました。そこで、渡来地の生息環境を調査して対策を検討しようということになったのが、この事業の始まりです。
 調査の結果、戦後の渡来数減少には、周辺の環境の変化が大きく関わっていることが分かりました。1つ目は、ねぐらとなる水田が、減反政策や過疎化・高齢化などで減少したこと、2つ目は、もう1つの渡来地である鹿児島県出水(いずみ)市への集中化が進んだこと。でも、直接的な減少原因は特定できませんでした。
 そこで、ねぐらの復元やエサまきといった取り組みの拡充のほか、平成10年度から、デコイによる誘引作戦を開始しました。これにより、上空を通過するツルをデコイにより誘引して降ろし定着させる、または、縄張り争いに負けて八代から飛び去るツルを引き留めることを期待したのです。
 

Q デコイについて、詳しく教えてください。また、その効果はどうでしたか?

Answer
デコイ
 デコイとは、本物そっくりに作られた実物大の鳥の模型のこと。誘引効果を高めるため、録音した鳴き声も併用しています。
 デコイは現在、17体。毎年10月に設置していますが、昨年から八代小学校の子どもたちにも手伝ってもらっています。今年は、デコイにそれぞれ名前を付けてもらったんですよ。
 その結果、一昨年と昨年、縄張りを持たない1羽の若いツルが、デコイの群れの中で越冬しました。縄張り争いに負けて飛び立ってしまうツルがいる中、引き留めることができたのです。
 でも、上空を通過するツルを八代に降ろし定着させるまでには、残念ながら至っていません。
 

Q 新しい取り組みや、私たちにできることを教えてください。

Answer
 ナベヅルのもう1つの渡来地である鹿児島県出水市には、近年、マナヅルも含めて約1万羽が渡来しています。そこから、回復が見込める傷病ツルを八代に移送して治療し、環境に慣れたら放鳥して、翌年、そのツルに家族や仲間を連れて八代に帰って来てもらおうという取り組みを考え、県と周南市から出水市に協力をお願いしたところ、正式に了承いただきました。
 これらの取り組みも、渡来数がゼロになってしまってからでは遅いのです。「今できることに何でも挑戦してみよう」これが私たちの基本姿勢です。
 もともとナベヅルは全国各地に渡来していましたが、明治以降、狩猟が解禁になって激減。でも、八代の人々はツルを守ろうと、当時の山口県令(知事)に働きかけ、この地でのツルの捕獲が禁止されました。「自然保護の先駆けの地」八代のツルを、今後も守っていきたいと考えています。
 ツルはとても警戒心の強い鳥です。見学するときは、近付かず、静かに、そっと見守ってあげてください。ご協力をお願いします。