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目次 2005年9月22日[Vol.78]号 山口県広報広聴課
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おもしろ山口学

土井ケ浜遺跡は語る-かお、七変化- 著/松下孝幸(土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアム館長)

前編『長州顔と薩摩顔』

写真提供:国立国会図書館
(画像を複製する場合には国立国会図書館の許諾が必要です。)
高杉晋作
高杉晋作
西郷隆盛
西郷隆盛
 明治維新にお雇外国人のひとりとして来日したドイツの内科医ベルツ(1849-1913)は、日本人は二つの人種から構成されているという内容のことを言っている。二つの人種の一つは「長州人」で、もう一つは「薩摩人」である。長州と薩摩では顔かたちがまったく違っていたのである。
 長州顔の代表は「高杉晋作」。顔が長くて、彫りは浅い。薩摩顔の代表は「西郷隆盛」。顔は丸く、目鼻は大きい。この両者の違いは、実は弥生時代に形成されていたのである。
 土井ヶ浜遺跡からは約300体の弥生人骨が発掘されている。彼らの特徴は、顔が長く、鼻が低くて彫りが浅く、身長が高い。このような特徴は、顔が短く、鼻が高く彫りが深く、身長が低い縄文人の特徴とはまったく違う特徴である。土井ヶ浜弥生人は縄文人の子孫とは考えられないので、大陸から新しい文化をもたらした渡来人と推測されている。
 現代でも彼らのDNAは顕著に残っていると思う。山下真司さんは下関市出身。面長で、テレビで見るたびにこれが長州顔だ、と心の中で叫んでしまう。女性では女優の藤田三保子さんだ。それに波田陽区さんも。

 

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後編『中世人・義経はどんな顔?』

みもすそ川公園(下関市)にある義経像
みもすそ川公園(下関市)にある義経像
 中世人骨が最も多く出土しているのは神奈川県鎌倉市で、次いで多いのが山口県。下関市吉母浜遺跡からは107体の中世人骨が出土している。土井ヶ浜遺跡群(寺ヶ浴遺跡)からは白磁の碗(わん)と鉄刀を持った中世人骨が出土したが、身長がなんと169.67cmもあった。日本一身長が高い中世人である。豊北町(現下関市)をはじめとする響灘沿岸の遺跡からは輸入陶磁器(白磁・青磁)が大量に出土する。平家は日宋貿易を盛んにおこなっていた。そのためには関門海峡を死守しなくてならなかった。壇ノ浦で最後の戦いに挑んだのはそこに文明の十字路-関門海峡があったからである。
 壇ノ浦の源平合戦で、平家は滅亡し、源氏を頂点とする武家社会が到来した。歴史の表舞台にはなばなしく登場した義経や静御前はどのような容貌をしていたのであろうか。じつは中世人の容貌には、想像を絶する特徴がみられるのである。まず、鼻が著しく低い。横から見ると鼻骨がほとんど隆起していない。鼻の高さが日本人の歴史の中で最低になる。しかも、反っ歯で上顎の切歯群(前歯)が水平になってしまい、下顎の歯とはかみ合っていない。ちょうど赤塚不二夫氏原作の漫画「おそ松くん」出てくる「イヤミ」氏の容貌そのものである。このような特徴は日本全体で同時におきた不思議な現象である。