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目次 2005年8月26日[Vol.76]号 山口県広報広聴課
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おもしろ山口学

廃止路線「岩日線」から蘇った錦川鉄道18年間の軌跡 著/清水晃一(錦川鉄道株式会社 専務取締役)

前編『錦川鉄道の誕生と「とことこトレイン」』

錦川沿いを走るじゃくち号
錦川沿いを走るじゃくち号

 錦川鉄道「錦川清流線」は、昭和62年4月に山口県と関係市町村及び地域団体が出資して発足した第三セクター鉄道です。JR川西駅から終点錦町駅までを結び、車窓には錦川の渓流美が現れ、とてもゆったりとして癒される気持ちになれます。
 その昔、「錦川清流線」は「岩日線(がんにちせん)」と呼ばれ、山陽本線岩国駅と山口線日原(にちはら)駅を結ぶ予定で建設が開始されましたが、昭和55年の国鉄再建法によって大半の工事が完成したところで工事が中断されました。
 昭和62年は国鉄改革の最後の年であり、全国の廃止対象路線が廃止か存続かで大きな社会問題となりましたが、「岩日線」は早くから地元沿線の方々が鉄道存続に向けてさまざまな活動を展開し、その熱意が実を結んだ年でもありました。
 沿線各地区のイベント展開なども行われ、滑り出しは順調でしたが、過疎化の進行などによる利用者の減少は経営を圧迫していきました。
 「鉄道を存続させるには、観光の目玉が必要なのではないか」当時の町長や議員の提案で、廃止路線の一部を使って山口きらら博(平成13年)で活躍した遊覧車を譲り受け、「とことこトレイン」として平成14年7月に運行を開始しました。

 

雙津(そうづ)峡を走る
「とことこトレイン」
雙津(そうづ)峡を走る「とことこトレイン」
関連リンク

 


後編『「きらら夢トンネル」を行く』

トンネルを走る
とことこトレイン
トンネルを走るとことこトレイン

 「とことこトレイン」の開業後は珍しさに多くの観光客が訪れましたが、約6kmの行程で4箇所もトンネルがあり、観光客を飽きさせない新たな対策が必要となりました。
 「長野県に光る装飾石があるが、これでトンネルを装飾したらどうか」錦町の議員の提案で、平成15年3月に広瀬トンネル内にブラックライトに反応する「蛍光石」で装飾した壁画を制作し、国内に類のないトンネルが完成しました。遊覧車に乗らないと見ることができない不思議な壁画は、初めて見る人はびっくりし、その後はその美しさに見とれる方がほとんどです。暗い中から突然現れる壁画に子供やご婦人達の「キャー」「ワー」と言った感嘆の声やカメラのフラッシュが続き、お客様から素晴らしいと言葉をいただきます。
 遊覧車を「ガタくん」「ゴトくん」、トンネルを「きらら夢トンネル」と名付け、この新たな観光スポットが話題を呼び、再び多くの観光客が訪れることとなりました。
 平成16年3月には、壁画を延長し、総延長620mとなりました。実に3年間に7万3千人の観光客が錦町を訪れ、「とことこトレイン」という新たな観光資源によって鉄道利用が促進され、大幅に拡大した「とことこトレイン」の利益が鉄道の赤字を補填するなど、経営改善に大きく貢献しています。
 この取り組みが評価され、平成16年10月に国土交通省から「日本鉄道賞」鉄道活性化部門(地域活性化への貢献)において、「日本鉄道賞」を受賞し、地方の小さな鉄道会社が全国に誇れるものとなるとともに、鉄道沿線地域の誇りとなりました。

 

蛍光石で装飾した壁画
蛍光石で装飾した壁画