平成17年1月14日号(HTML版)VOL.61
山口県広報広聴課

県庁担当者にここが聞きたい

企業局総務課・木村課長 山口県企業局は、電気事業と工業用水道事業を経営する「地方公営企業」。「水を使って発電したり工業用水を企業に販売したりする、どちらも水に関わる商売なんです。ただ水はお天気次第。渇水がひどいときには、雨ごいに行くこともあるんですよ。」とユーモアたっぷりに語る総務課の木村茂春課長に、企業局の仕事について聞きました。


Q. 企業局とはどんなところなんですか?名前に“企業”がつくから、企業誘致をするところですか?

Answer
 企業誘致と密接な関係にはありますが、企業誘致の仕事をするところではないんですよ。企業局はもちろん県の組織なんですが、地方公共団体が住民生活の向上や地域の発展に不可欠な電気と工業用水を提供するための「電気事業」「工業用水道事業」の2つを「経営」する「地方公営企業」。例えていうなら、市営バス事業と同じようなものでしょうか。企業局では水力発電所と工業用水道を管理していて、発電所でつくった電気は中国電力(株)に買い上げてもらい、工業用水道の水は工業用水として工場などに販売しています。
 山口県は中小河川が多いため、ダムをいろいろなところに造って水をためて、それを発電や工業用水として活用しており、その施設は、特にコンビナートの多い瀬戸内海側に集中しています。
 地方公営企業は「企業」という位置付けですので、税金で賄われる県の一般の仕事と異なり、電気と工業用水を売って得た収入で、職員の給料などすべての支出を賄う独立採算制で運営しています。


Q. なるほど。自ら事業を経営している“企業”なんですね。では、電気事業について、電気の生産状況などをもう少し教えてください。

Answer
阿武川ダム 企業局では、所有する水力発電所でつくった電気を中国電力(株)に「卸(おろし)供給」し、そこから一般家庭や企業などに電気を販売するという流れになります。
 現在、水力発電所は県内に10カ所あります。最大出力の合計は、51,440kW。これは県内の全一般家庭の8.7%に相当する約51,000戸の一年分(※)の電力を賄える量です。中でも一番大きいのは、川上村にある「新阿武川(しんあぶがわ)発電所」。ここは全10カ所の合計電力量の約4割の電気をつくる「ドル箱」の発電所なんですよ。
 県による電気事業の開始は大正13年にさかのぼり長い歴史を持っていますが、これからも電気の安定供給に向けて取り組んでいきます。

一般家庭の消費電力量を300kWh/月として計算した場合


Q. 山口県の工業用水道事業は、いつから始まったのですか。また、その規模などについて教えてください。

Answer
厚東川水路橋 県による工業用水道事業は、昭和15年に「向道(こうどう)ダム」の完成に伴い工業用水の供給を始めたのが最初で、現在15の事業を経営し、75のユーザーに水を供給しています。給水能力は15の事業を合わせて、1日約170万トン。これは東京ドームの約1.4杯分に相当する、全国一の規模なんですよ!
 工業用水は「産業の血液」と呼ばれるほど企業の生産活動にとって大事なもので、機械の冷却水や洗浄水などいろいろな用途で使われています。特に周南・宇部小野田地域をはじめ瀬戸内海側には山口県の発展を支えてきたたくさんの重化学工業があり、工業用水なくして山口県の発展はなかったと自負しています。


Q. 今後へ向けての課題が何かありますか?

Answer
 電気事業は今、電力自由化などの規制緩和で電気料金の引き下げが進んでおり、今後、より一層の経営効率化を進めて、料金単価引き下げに耐えられる体制をつくっていかなければと考えています。
 また工業用水道事業については、工業用水の需要が伸び悩むなど経営状況が厳しいことから、経営の健全化を図らなければなりません。
 このように電気・工業用水道事業を取り巻く環境が厳しくなる中、昨年3月、今後の事業運営の基本となる経営計画を作り、安定した経営基盤づくりに今、取り組んでいます。
 また、企業局では水源を守るための活動にも協力しています。川の上流の森で木を植えたり、下草を刈ったりといったボランティア活動を企業の皆さんと行っています。私も参加したことがあり、森づくりは大変大事なことだと実感しました。地球温暖化が進む今、クリーンエネルギーの水力発電の役割は大きいといえます。これからも水に感謝し、森を守り、自然や地域と共生しながら、電気や水の安定供給に取り組んでいきます。