平成16年12月24日号(HTML版)VOL.60
山口県広報広聴課

県庁担当者にここが聞きたい

漁港漁村課・廣中課長 三方が海に開かれた山口県は、豊かな水産資源に恵まれた「水産県」。山口県のように水産部のある県は全国に2県しかなく、漁港漁村課では水産業の振興に欠かせない基盤整備に取り組んでいます。同課の廣中教男課長はもともと土木関係の技術者で、初任地は久賀町(現・周防大島町)。それだけに海への思い入れもひとしおの廣中課長に、山口県の漁港・漁村づくりについて聞きました。


Q. 今年は台風で、県内の漁港・漁村は大変だったようですね。被害の状況のほか、漁港漁村課ではどんな仕事をしているのか、教えてください。

Answer
見島漁港 今年の台風では県営漁港の被害は小さかったのですが、市や町の管理する漁港ではずいぶん打撃を受けました。被災の事業費は、過去最大の約30億円に上ります。被害件数は全部で約100件。それらは瀬戸内海側の東部に集中し、主に9月7日の18号台風によるものです。特にひどかったのは東和町(現・周防大島町)や上関町など。東和町の白木漁港では護岸が約100mにわたって壊れ、橘町(現・周防大島町)の安下庄港では床上浸水約1mという被害が出たんですよ。
 山口県の海岸線延長は約1,500kmに及び、これは全国第6位、本州単独では1位です。指定漁港(※)は県内に97港あり、その数は全国第9位。漁港漁村課では県営漁港7港の整備や維持管理のほか、市や町の管理する漁港90港の技術的な指導や全般的な助言も行っていますので、今年は災害復旧でまだまだ忙しい日々が続きそうです。復旧のための工事費は3分の2を国が負担することになっていて、国の査定を受けて災害額が決定し、予算を市や町で措置されれば復旧工事にかかれます。県としても、できるだけ早く復旧できるよう努めています。

指定漁港 漁港漁場整備法第6条に基づき指定された漁港


Q. ところで、漁港・漁村といえば、「漁船を着けて魚を揚げる場所」、「漁業の基地」といったイメージがありますよね…。

Answer
 漁港・漁村と聞くと、確かにそのようなイメージを持たれるかもしれませんが、最近ではより多面的機能が注目されています。
 まず、漁港施設が高潮などから人家や人命を守る「第一線堤防」としての機能を果たしていること。次に、沿岸部の環境を保全する機能。さらに、漁港や漁村の存在自体が「いやしの空間」として、県民の皆さんの交流・保養・学習の場にもなる機能をもっています。しかしその一方で、海岸の汚れ、過疎化の進行など漁港・漁村を取り巻く環境にはいろいろな問題も見受けられます。
 多面的な機能をもつ漁港・漁村は、将来に残していかなければならないみんなの財産です。そのためには、例えば身近にできることとして、ごみなどは持ち帰る。魚をもっとたくさん食べて、交流も盛んに行う。そうしたことを通じて、県民の皆さん全体で、漁港・漁村の環境を守っていっていただきたいのです。
 また、これからの漁港・漁村は、ブルーツーリズムなどの都市との交流の中で、おいしい魚を提供すると共に、海洋レジャーなどとも共存共栄しながら、その多面的機能を発揮することが必要だと感じています。


Q. ブルーツーリズムや海洋レジャーというお話しがありましたが、山口県内の注目のスポットなどを教えていただけますか?

Answer
キンギョハナダイの群れ(見島) 萩市沖の見島近くには対馬暖流が流れているので魚がたくさんおり、いいダイビングスポットになっているんですよ。その見島の宇津港近くに昨年度、漁協経営の食堂・シャワー室・トイレなどを備えた施設「ダイビングステーション」を萩市が地元と一緒になって整備したところ、県内外からずいぶん利用者があるようです。
 また、周防大島町でもブルーツーリズムを積極的に行っていこうという話が進められており、その中でダイビングスポットの整備も検討されているんですよ。
 そのほか注目の公共施設といえば、由宇町が今、「由宇町総合交流ターミナル」を建設中です。場所は国道188号沿いの有家(あらけ)地区で、近くに海水浴場もあります。この施設には、都市との交流のための海産物の販売所・レストラン・情報の発信基地なども設けられ、水産物加工体験もできるようになっています。オープンは来年度の予定です。
 広く県民の皆さんのご意見をお聞きして策定した「山口県海岸保全基本計画」に沿って、海岸の整備も進めています。県内には防護・環境・利用に配慮した面的な海岸整備(人工海浜)がたくさんあり、今、県が事業主体となって整備中の下関市の西山海岸(彦島)は、来年度からシャワー施設、更衣室等も使用できるようになります。ぜひご利用ください。