平成15年10月10日号(HTML版)VOL.31
山口県ホームページ

 
   
 
伊藤文夫課長

 国の報告によると、平成12年には全国の65歳以上人口の7.18%が痴呆性高齢者だと推計されており、高齢化が進む中、その出現率は今後さらに上昇することが予測されています。
 そこで、山口県健康福祉部 高齢保健福祉課の伊藤文夫課長に「私たちの身近な問題である痴呆」について聞きました。

 


 
Q. 高齢化が進むにつれて痴呆性高齢者が増えるといわれていますが、痴呆の初期症状について教えてください。

Answer
 痴呆は脳の病気によって生じる心とからだの障害で、だれにでもなる可能性があります。痴呆の症状でよく知られているのは、もの忘れ。ほかにも日時や季節、今いる場所、目の前にいる人の見分けが混乱したり、理解力が低下したり、さまざまな障害が現れます。特に痴呆の初期では、話したり、電話の取り次ぎがうまくいかなくなったり、鍋を焦がしたり、水を出しっぱなしにしたり、お金や薬を管理できなくなったりします。
 でも、初期段階で早期発見し、早期対応すれば、進行を遅らせることができます。「痴呆かな?」と思ったら、まずできるだけ早く、かかりつけのお医者さんか身近な相談機関に相談してください。そうすれば、ご本人のためになるのはもちろん、ご家族の負担も軽くなります。
 また、「痴呆性老人を支える家族の会」がある市町村もあります。ご自身の苦労された体験などをもとに、分かりやすいアドバイスをしていただけますので、そうしたところに相談されるのもいいと思います。
※身近な相談窓口
市町村の保健センターや保健福祉担当課、在宅介護支援センター
※その他の専門的な相談窓口
県健康福祉センター(県内9カ所)、県精神保健福祉センター(宇部)、県福祉総合相談支援センター(山口)、県立中央病院老人性痴呆疾患センター(防府)、いしい記念病院老人性痴呆疾患センター(岩国)
 


 
Q. 痴呆高齢者には、どんなことに注意して接すればいいのですか?

パンフレットAnswer
 痴呆になると、今まで普通にできていたことができなくなったり、混乱したりすることが増えますが、そうした行動を反論されたり、否定されたりすると、周囲の人に対するイメージを悪くすることがあります。
 また、周囲も「どうせ分からないんだから」とそれまでと違う対応をされることがあります。そうすると痴呆性高齢者の方は不安になり、それが徘徊などの問題行動を引き起こす原因にもなります。
 対応のポイントは「痴呆について正しい知識をもつ。親身になって心を通わせる。相手の理解できる言葉を使う。残された機能に働きかける。手をとるなどのスキンシップをする。人格を尊重する。相手のペースにあわせる。言葉は一つの行動ごとに用いる。理解できない言動も受け止める」など。何度も同じことを言われると「さっき言ったじゃないかね」と、つい怒ってしまいそうになりますが、否定されるとかえって本人は混乱します。できるだけ受け入れたり、そばに付いていたりすると、あまり問題行動が起きないといわれています。家族では難しいことも多いと思いますが、できるだけ周囲の人も協力して支えてあげて欲しいですね。
「痴呆性高齢者の理解と接し方」を紹介したパンフレットを作成しています。ご希望の方は高齢保健福祉課へ。
 




 
Q. 家族への支援体制にはどんなものがありますか?

Answer

 家族の方には不安や戸惑いが生じるだけでなく、介護のつらさを周囲に理解してもらえないことも多いと思います。それに痴呆の症状はいろいろありますし、介護が長期にわたる場合も多いので、家族の方が介護疲れで倒れてしまうこともあり、やはり家族だけでの介護には限界があります。
 でも、介護保険にはショートステイやデイサ-ビス、ホームヘルプサービスなど、いろいろなサービスがありますので、そうしたサービスを上手に利用して、介護の負担を軽減していただきたいと思います。
 また、県では、痴呆性高齢者やご家族の方を支える地域づくりを進めるため、痴呆を正しく理解してもらうための普及啓発活動や相談窓口の充実に取り組んでいます。痴呆は、だれにでもなりうること。ぜひ気軽に相談したり、サービスを利用したりしていただきたいと思います。
高齢保健福祉課のホームページ(保健・福祉サービス)
かいごへるぷやまぐち
健康福祉の総合情報
財団法人 山口県健康福祉財団
 


 
Q. 痴呆は予防できるのですか?

山口県生涯現役推進センターAnswer

 痴呆の原因は、脳血管型とアルツハイマー型の2つに大別することができます。脳血管型は脳血管障害(脳梗塞・脳出血など)から痴呆になる後天的なもので、生活習慣病の予防、例えば塩辛い食べ物は避けるとか、たばこをやめるといった生活習慣の改善が、痴呆の予防にもなるわけなんです。
 また、会社などを退職すると、家に閉じこもりがちになる方がありますが、そうすると心のバランスを失い、それが痴呆を引き起こす原因のひとつになります。それを防ぐには、ボランティア活動や就労、趣味、スポーツ、地域のお世話、友人・知人との会話など、何らかの社会活動に参加して、みんなで支えあっていくことです。高齢者になってから何かを始めるのは難しいこともあり、県では40歳代から仲間づくりを始めましょうと「生涯現役社会づくり」を推進しています。20年後の山口県は3人に1人が65歳以上になるといわれていますので、皆さんもそうした活動にどんどん参加していただけたらと思います。
山口県生涯現役推進センター