平成15年8月8日号(HTML版)VOL.27
山口県ホームページ

 
   
 

山口県商工労働部新産業振興課の伊藤正雄課長に以下の5点について聞きました。

 


 
Q. 「新産業振興課」とは、どんなことをするところなのですか?

Answer
 一言で表しますと、全ての県民が豊かさを更に実感できるよう新産業振興の仕事をしています。具体的には、企業や事業者の情報化の支援、技術力向上のための支援、新事業の育成などの支援を行なっていますが、これらは県民の皆さんの豊かさの増大をもたらすことにつながります。例えば、企業の活力強化は事業機会の拡大をもたらし、新たな働く場の提供や一人一人の生活力の強化に結びつくでしょう。「新産業振興」というと大変難しい言葉のように思われますが、実は身近な存在で皆さんの日常生活そのものに結びつくものなのです。私共の職場では、企業、事業者といった直接的な対象者はもちろんのこと、間接的には経済の主体である生活者、つまり皆さんの日常につながる意義を感じて日々仕事に取り組んでいます。
 新たな産業が生まれるときのパターンは「突然変異型」「特化・転化型」「隙間型」など様々で、その分野も制限がありません。innovation(技術革新)×wants(何が欲しいのか)、この2つが交錯する領域に生活者の視点が加わると新産業は生まれやすく、例えば宅急便、カラオケ、携帯電話などがそれに当たります。山口県は他の地域に先駆けて新産業を創り出せる潜在性を持っている地域だと思います。行政としても新産業が生まれやすいようなマーケットを形成していくよう県民の皆さんのご理解を深めていくことが重要だと思っています。
 


 
Q. 山口県では「女性起業家支援」が盛んだそうですね?

Answer
 山口県では全国に先駆けて平成4年度から、事業を始めたい女性や女性経営者を対象に「女性起業家スクール」を行っています。これまで1,100人以上の方が受講し、約200人が起業しています。
 スクールの「入門コース」では起業への心構え・事業計画の作り方などを学べ、「実践コース」ではマーケティング・店鋪の設定・税務・会計など、すでに起業している方も必要な知識を学べる内容になっています。また、女性起業家の交流会、相談会なども開催しています。山口県での女性起業家スクールは10年以上に及び、全国で最も実績があるといえ、女性の意欲的な取組みが起業に結びつくシステムの進んだ行政地域となっています。
 ただ行政として大事なのは、女性起業家を何人生み出したかではなく、それに必要な事業環境の整備や市場メカニズムをきちんと用意することです。例えば、本県が世界、日本で最も女性起業家にとって事業展開を行ないやすい地域という風土ができあがれば、それだけで人やお金の流れも変わりますし、県の経済システム全体がプラスの方向で変革することは間違いないですよね。「女性起業家支援」というのは、単に女性の起業家を増やそうというのではなくて、経済システム全体に新たなベクトルを加えようという結構壮大な試みでもあるわけですね。

※参考/新産業振興課新事業支援班のホームページ(女性起業家支援塾)

 




 
Q. 女性対象以外に、どんなベンチャー人材育成事業があるのですか?

Answer

 事業者の構想・準備段階から始まって株式公開に至るまで、企業の成長にあわせて、それぞれに必要なベンチャービジネスの総合支援策を設けています。
 まず創業段階では、理論から実践に至る知識やノウハウなどが必要になります。したがって、ベンチャースクールなどの人材育成を支援し、創業に必要な情報の提供を、主にセミナー形式で行うなどしています。次の段階、つまり企業の成長段階では、資金や場所の提供などの市場環境整備が最も必要で、研究開発や事業化に対する資金、税制の支援、インキュベーション施設の貸与などを行っています。さらに次の段階、つまり、飛躍段階になると、事業戦略が重要になってきます。そこで「プレゼンテーションセミナー」などのマーケティング支援や、株式公開にあたってのノウハウの提供といった様々な戦略的支援を行っています。
 また、人材育成ということでは、子どものころから、ものづくりの楽しさや科学の面白さに関心をもっていただくことも重要です。そこで小・中学生の皆さんを対象に「ものづくりスピリット養成塾」を行っていて、価値の創造の楽しさを実際に体験していただく機会も提供しています。これはとても人気があるんですよ。今年は8月22日・23日に開催。その中には、紙ヒコーキの第一人者「Dr.タンバの紙ヒコーキ教室」もありますので、ぜひご参加ください。

※参考/新産業振興課新事業支援班のホームページ(Vプロジェクト2003)
※参考/山口県産業技術センターのホームページ(ものづくりスピリット養成塾)

 


 
Q. 「電子商取引」の促進にも力を入れているそうですね。「電子商取引」とは?

Answer

 電子商取引とは、ネットワーク上で商品の購入から決済までを行うことをいいます。山口県内では電子商取引はそれほど盛んではなかったため、まず平成11年度から4年間、県内の情報通信インフラを整備する支援事業を行いました。次に第2段階として、平成13年度から2年間、電子商取引のシステム開発事業を行いました。
 さらに平成15年度から、初心者を対象に、電子商取引に接する機会をもっていただこうと、実際にeモールを体験できるシステム「ITフィールド」を設けました(会員制)。この「ITフィールド」はそのほかにも様々な機能を持っていますが、初めての人も簡単に電子商取引を実験でき、県内15箇所にアクセスポイントがあるので料金も安く、実際に使ってみた人は「安心して使える」と反響が良いようですよ。

※参考/(財)やまぐち産業振興財団のホームページ

 


 
Q. 新産業づくりの中で、山口大学の「医工連携」が注目されているそうですね。その「医工連携」とは?


Answer

 山口大学のような公的研究機関が有する独創的な技術シーズと、地域の企業のニーズとがうまく刺激し合えば、新産業を創出する起爆剤になります。
 1つ例を挙げますと、山口大学では、工学部で内視鏡や治療器などの手術用具に活用させるといった、従来より明るくて省エネルギーの「白色LED照明」の技術を開発しています。この技術を医療現場で日ごろから利用のあり方を見つめている医学部のニーズにかみあわせることで「医工連携」による独自の研究開発となるわけです。更にこれが事業者の取組みにつながることで、山口大学の「医工連携」による新たな産業が出来上がるわけです。 また来春、大学が独立法人化されると他の大学との差別化が必要になり、地域経済に寄与するこうした取り組みへの必要性は高まると思います。

※技術シーズとは・・・新しい可能性を持つ技術